未必の故意、それとも 松本清張『なぜ「星図」は開いていたか』 ★書物・雑誌

未必の故意、それとも 松本清張『なぜ「星図」は開いていたか』

★松本清張短編小説シリーズ   ・題名         『なぜ「星図」が開いていたか』 ・双葉社         双葉文庫 ・発行         1995年5月 発行 【「顔」内】   登場人物 ◆藤井都久雄 都内の私立高校(東都中央学園)に勤める38才の教師。勤め先の学園の理…
凡庸だが、日本史に永遠に名を刻んだ男『小早川秀秋』 ★歴史

凡庸だが、日本史に永遠に名を刻んだ男『小早川秀秋』

今回は凡庸だったが、何故か歴史に名を残した人物を紹介したい。 その名は『小早川秀秋』。 歴史好きな人間であれば、「あの人ね」と云われる人物であろうか。   経歴 ・名前    小早川秀秋、通称:金吾中納言、筑前中納言 ・生誕    1582(天文10)年(生)~1602(慶長7)年(没) …
冒険心が恐怖心に変わった瞬間 芥川龍之介『トロッコ』 ★書物・雑誌

冒険心が恐怖心に変わった瞬間 芥川龍之介『トロッコ』

★芥川龍之介短編小説シリーズ   ・題名      『トロッコ』 ・新潮社     新潮文庫  『蜘蛛の糸・杜子春』内 ・発行      昭和43年11月 ・発表      大正11年 3月 『大観』   登場人物 ◆良平 小田原熱海間の近くに住む、8才の少年。良平の住む村の近く…
信長の死後、出世競争に負けた男 『佐々成政』 ★歴史

信長の死後、出世競争に負けた男 『佐々成政』

今回は信長が生存時、羽柴秀吉・前田利家とほぼ同格だった。 しかし信長の死後、二人の後塵を拝するようになり、やがて没落した人物を紹介したい。 その人物とは、『佐々成政』。 歴史番組などで利家と供に登場するが、あまりぱっとしないのか人気がない。 成政も利家のように世渡り上手であったならば、評価も高かった…
地獄から抜け出す寸前、醜い心が招いた結果 芥川龍之介『蜘蛛の糸』 ★書物・雑誌

地獄から抜け出す寸前、醜い心が招いた結果 芥川龍之介『蜘蛛の糸』

★芥川龍之介短編小説シリーズ   ・題名       『蜘蛛の糸』 ・新潮社      新潮文庫  『蜘蛛の糸・杜子春』内 ・発行       昭和43年 11月 ・発表       大正 7年  7月 『赤い鳥』   登場人物 ◆犍陀多 生前、様々な悪い事をして人に迷惑をかけた…
一度は主君、家康に背いた知将『本多正信』 ★歴史

一度は主君、家康に背いた知将『本多正信』

戦国時代、主家を裏切り他家に臣従するのは日常茶飯事だった。それは御家存続、己の欲の為と理由は様々。 今回紹介する武将はそのような理由ではなく、己の主義主張の為、主家を裏切った。   簡単に言えば、当時流行した宗教(一向宗)に傾倒。その為、一度は主家を出奔。主家に弓轢いたのである。 &nbs…
真面目な男が、一度道を踏み外した時 松本清張『坂道の家』 ★書物・雑誌

真面目な男が、一度道を踏み外した時 松本清張『坂道の家』

★松本清張 短編小説シリーズ   ・題名        『坂道の家』 ・新潮社        新潮文庫 ・昭和         昭和46年10月 発行 【「黒い画集」内】 ・発表         「週刊朝日」 昭和34年1月4日号~4月19日号    登場人物 ◆杉田りえ子 杉田…
物事を卒なく熟す、信長の重臣『丹羽長秀』 ★歴史

物事を卒なく熟す、信長の重臣『丹羽長秀』

今回は信長の重臣の一人、『丹羽長秀』を取り上げたい。 丹羽長秀を書くにあたり意外に思ったのは、長秀について書かれた資料があまり多くない。 信長の重臣で在り乍、何故かと考えた挙句、ある結論に達した。   後述するが、長秀は物事を卒なく熟す人物であった為、反ってあまり際立ったエピソードが少ない…
沈みゆく船中、人の愛憎を描いた作品『ポセイドン・アドベンチャー』 ★映画

沈みゆく船中、人の愛憎を描いた作品『ポセイドン・アドベンチャー』

★懐かしい洋画シリーズ   ・題名    『ポセイドン・アドベンチャー』 ・公開    1972年 米国 ・提供    20世紀フォックス      ・監督    ロナルド・ニーム ・製作    アーウィン・アレン ・脚本    スターリング・シリファント、ウェンデル・メイズ  …
自殺幇助、それとも殺人 松本清張『紐』 ★書物・雑誌

自殺幇助、それとも殺人 松本清張『紐』

★松本清張 短編小説シリーズ   ・題名         『紐』 ・新潮社        新潮文庫 ・昭和         昭和46年10月 発行 【「黒い画集」内】 ・発表         「週刊朝日」 昭和34年6月14号~8月30日号      登場人物 ◆田村係長 警視庁…
中途半端な態度で、身を滅ぼした男『増田長盛』 ★歴史

中途半端な態度で、身を滅ぼした男『増田長盛』

皆様の周りに、自分は上手く立ち回っているように思っているが、実はその態度が皆から嫌われ、挙句に自分の身を滅ばした人間、或いは著しく評価を下げている人物はいないだろうか。   今回、戦国時代にて自己保身に走った末、身を滅ぼした人物を紹介したい。 戦国の武勇伝が華やかな時代に、何故この様な人間…
尾行・カーチェイス等、名シーン満載 『フレンチ・コネクション』 ★映画

尾行・カーチェイス等、名シーン満載 『フレンチ・コネクション』

★息つく暇もないストーリーと、スリリングな展開の映画   ・題名      『フレンチ・コネクション』(The French Connection) ・公開      1971年 米国 ・配給      20世紀フォックス    ・監督      ウィリアム・フリードキン ・製作     …
流れ着いた腐乱死体。正確な死亡推定時刻は 松本清張『巨人の磯』 ★書物・雑誌

流れ着いた腐乱死体。正確な死亡推定時刻は 松本清張『巨人の磯』

★松本清張短編小説シリーズ   ・題名       『巨人の磯』 ・新潮社       新潮文庫 ・昭和        昭和51年 5月 発行 【「巨人の磯」内】 ・発表        小説新潮(1970年10月号)   登場人物 ◆清水泰雄 九州出身の法医学教授。仙台で開かれた…
猪突猛進、「武」はあるが「智」が欠けていた武将『福島正則』 ★歴史

猪突猛進、「武」はあるが「智」が欠けていた武将『福島正則』

今回、以前紹介した『柴田勝家』に似たタイプの武将(大名)を紹介したい。 似たタイプと敢えて表記したのは、武将の「武」の部分は一流だが、「知」の部分になれば、少し欠けていたのではないかと思われる為。 早速、本人を紹介したい。   経歴 ・名前    福島正則、市松(幼名) ・生誕    15…
ベトナム後遺症に悩まされる青年の姿を描いた『タクシー・ドライバー』 ★映画

ベトナム後遺症に悩まされる青年の姿を描いた『タクシー・ドライバー』

★懐かしい洋画シリーズ、ロバート・デニーロ主演   ・題名      『タクシー・ドライバー』     ・公開      1976年米国 ・配給      コロムビア映画    ・監督      マーティン・スコセッシ ・製作      マイケル・フィリップス、ジュリア・フィリップス ・脚…