名車が集合、車好きには堪らない映画 『キャノンボール』
★懐かしい洋画シリーズ
・題名 『キャノンボール』
・公開 1981年 日本・香港合作
・配給 20世紀フォックス
・監督 ハル・ニーダム
・製作 アルバート・S・ラディ
・脚本 ブロック・イェーツ
・製作総指揮 レイモンド・チョウ、アンドレ・モーガン
目次
出演者
◆JJ・マクレア :B・レイノルズ
◆ビクター・プリムズ :ドム・ディルーズ
◆ニコラス・B・ヘルシング :ジャック・イーラム
◆パメラ・グローバー :ファラ・フォーセット
◆フェンダー・バーム :サミー・デービス・Jr
◆ジェイミー・ブレイク :ディーン・マーチン
◆シー・モアー :ロジャー・ムーア
◆シーク王 :ジェーミー・ファー
◆ジル・リバース :タラ・バックマン
◆マーシー・サッチャー :エイドリアン・バボー
◆東洋人(日本人役) :ジャッキー・チェン
◆東洋人(日本人役) :マイケル・ホイ
<参考>
・救急車 JJ、ビクター
・フェラーリ― フェンダー・バーム、ジェイミー・ブレイク
・アストン・マーチン シー・モアー(007)
・ロールス・ロイス シーク王
・カウンタック ジル、マーシー
・日本車 ジャッキー・チェン、マイケル・ホイ
あらすじ
カーマニアの人間が集まり、アメリカ東部コネチカットをスタートとして、アメリカ大陸を横断。
最終ゴールのアメリカ西部カリフォルニア州ロスを目指す、非合法レースを描いた映画。
レース中、参加者の様々なエピソードがコミカルに描かれ、レースの展開と供に、それそれの登場するキャラクターが楽しめる内容となっている。
見所
参加者の中で主人公と言えるのが、JJ・マクレア(バート・レイノルズ)、ビクター・プリンズム(ドム・ディルーズ)。
劇中にて度々、ビクターがヒーローキャラ「キャプテン・ケイオス」に扮する場面が愉快。
最後もキャプテン・ケイオスに変身、レースは意外な結末を迎える。
劇中でそれぞれの参加者が、各所で追跡してくる警察を巻こうとするシーンが面白い。
映画全体に言えるが、一つ一つの場面でそれぞれ笑いの要素が含まれ、何も考えず素直に楽しめる作品。
車好きな人間にとり内容もさる事ながら、何か車が走るシーンで興奮した映画だった。
とくに当時のスーパー・カーとして人気があった、ランボルギーニ社(当時はイタリア)の「カウンタック」が走っているシーンを見て、幼少ながら興奮したものだった。
尚、カウンタックが走行するシーンは、以後のシリーズ2,3の冒頭で必ず挿入され、シリーズの名物となった。
参考までにネタバレではないが、シリーズ3は今迄のシリーズ1、2の流れと異なり、メンバー全てが刷新される。
カウンタックは常に、お色気美女が搭乗するのが定番だったが、シリーズ3にはない。
ゴールであるロサンゼルス郊外レドンドビーチの桟橋は、全シリーズの最終のゴール地点となっている。
此れは、何れのシリーズも同じ。
この頃人気が出始めたジャッキー・チェンが、劇中で東洋人(日本人)として出演している。
パートーナーのマイケル・ホイはご存じ、映画『ミスター・ブー』シリーズで有名。
マイケル・ホイもジャッキー同様、東洋人(日本人)として出演している。
当時アメリカでは、日本車が席捲していた時期であり、敢えて日本車を登場させた様に思える。
劇中のジャッキーの最後は、ハレーに乗ったヒッピー風のバイク集団との乱闘で終わり、最後までレースに参加していない。
理由は分からないがジャッキーの場合、カンフーアクションを売りモノにしていた為、そのような終わり方になったのではないかと想像される。
因みにキャノンボーラーと喧嘩するバイク集団のリーダーは、映画『イージー・ライダー』に出演していた、ピーター・フォンダ御本人。
全シリーズを通し、唯一出演しているのは、シーク王ぐらいであろうか。
しかしシーク王も、シリーズ3ではレース前に車を没収され、レースに参加していない。
シーク王は典型的なアラブ王族として描かれているが、彼はれっきとしたアメリカ人俳優。
追記
映画のエンディングでは、映画撮影のNGが流れ終了。撮影NGを流すのは、当時としては画期的だった。
此れを参考にしたかどうかは分からないが、ジャッキー・チェンの映画は、最後に映画の撮影の様子、NG等が流れ終了する作品が多い。
ちょっとした、サービス精神であろうか。
映画自体は、主にコメディー。本音を言えば、バカバカしすぎて、逆に面白い。
その証拠にパート2は、映画賞では最も不名誉なラズベリー(ラジー)を受賞している。
※ラズベリーとは、日本語で「愚かな・くだらない」という意味合い。
この映画で私の人生に影響を与えたセリフと云えば、主人公のJJ(バート・レイノルズ)に同伴した写真記者パメラ(ファラ・フォーセット)が質問した言葉であろうか。
パメラがJJに対し
「何故こんな危険なレースに参加するの」と質問した。
その時のJJの答えは
当時、色々な事で悩んでいた自分に対し、何か後押しをしてくれたような言葉だった。
何気ない娯楽映画だったが、その時は何か雷に打たれたような心境だった。
今でも人生に於いて迷う時があれば、常にこの言葉を思い出すようにしている。
おそらくこの時の思い出が、何時までもこの映画を忘れない理由のような気がする。
(文中敬称略)