月: 2019年8月

自分が背負った宿命故、道を踏み外してしまう話 松本清張『砂の器』 ★書物・雑誌

自分が背負った宿命故、道を踏み外してしまう話 松本清張『砂の器』

 今回は、松本清張の名作の一つに数えられる作品を紹介したい。   ・題名         『砂の器』 ・【砂の器 上・下】   松本清張原作 ・(新潮社 新潮文庫   上・下  昭和48年3月発行)   登場人物   ◆今西栄太郎 警視庁捜査一課に勤めるベテラン刑事。年…
巧妙に絡めとられる役人 松本清張作『弱味』 ★書物・雑誌

巧妙に絡めとられる役人 松本清張作『弱味』

世間を暫し騒がす、役人の汚職、公共事業の官製談合など。 理由は様々であろうが、今回或る出来事を切っ掛けに、地獄に落ちていく役人の姿を描いた作品を述べたい。   ・題名           『弱味』 ・新潮社          新潮文庫 ・或る「小倉日記」伝    傑作短編集(一)  ・昭和…
偉業を達成したが、仲間に潰された話 松本清張『文字のない登攀』 ★書物・雑誌

偉業を達成したが、仲間に潰された話 松本清張『文字のない登攀』

★松本清張 短編小説シリーズ   ・題名     『文字のない登攀』 ・昭和35年   11月発表  ・新潮社     新潮文庫 【憎悪の依頼】内  ・昭和57年   9月発行   登場人物   ◆高坂憲造 日本を代表する山岳界の重鎮。ある日、前人未踏であったR岳V壁を…
学界の権威主義、嫉妬深さを皮肉った話 松本清張作『石の骨』 ★書物・雑誌

学界の権威主義、嫉妬深さを皮肉った話 松本清張作『石の骨』

今回紹介するのは、松本清張作『石の骨』。 清張自身、市井の社会派小説家と云われただけあり、何か学界の権威主義・嫉妬を皮肉った作品。   以前、清張作品『カルネアデスの舟板』を紹介したが、あれも学界を上手く立ち回わろうとする大学教授の話。 今回の作品も同じ学界の話であり、何か通ずるものがある…
戦国時代きっての極悪人、アクの強い男「松永久秀」 ★歴史

戦国時代きっての極悪人、アクの強い男「松永久秀」

戦国時代の蝮(マムシ)と云えば、おそらく「斎藤道三」を思い浮かべるのではなかろうか。 もう一人の梟雄を挙げるとすれば、「松永久秀」を思い浮かべるかもしれない。   道三が蝮であれば、久秀は「サソリ」と云う言葉が当てはまるのではないか。 今回は戦国時代、あまり評判が宜しくない松永久秀と取り挙…
滑走路を歩くタイトルバックが印象的だった『Gメン75』 ★趣味

滑走路を歩くタイトルバックが印象的だった『Gメン75』

★大昔の毎週土曜日、子供には天国だった。 理由は、午後6:30からほぼ、TVに釘付けだった為。   午後6:30からアニメ『タイム・ボカンシリーズ』に始まり、『まんが日本昔話』、『クイズダービー』、『ドリフの8時だョ!全員集合』。 そして9時からは俗に大人の時間と云われ、休みの前だけに許さ…
面白い読み方をする漢字 ★教養・実践

面白い読み方をする漢字

以前、難解漢字シリーズを展開しましたが、今回は似た特集で、面白い読み方をする漢字を特集したいと思います。   「あ」行   【扁桃】アーモンド ・バラ科の落葉高木。中央アジア原産。食用・薬用に利用。   【氷菓子】アイスクリーム ・甘味を入れた氷状の菓子。全く別の意味で…
香港三代スター(ジャッキー・サモ・ユン)共演、『スパルタンX』 ★映画

香港三代スター(ジャッキー・サモ・ユン)共演、『スパルタンX』

★懐かしい香港映画シリーズ   ・題名       『スパルタンX』 ・公開       1984年 日本 ・配給        ゴールデン・ハーベスト、東宝東和     ・監督       サモ・ハン・キンポー ・製作       レナード・K・C・ホー ・脚本       エドワード・…
得体の知れない物を見た時、人間の驚きと戸惑い。カフカ『変身』 ★書物・雑誌

得体の知れない物を見た時、人間の驚きと戸惑い。カフカ『変身』

今回は洋書の名作を取り上げてみた。或る日突然自分が変身を遂げた。 結果として周囲の者から差別と偏見の目でみられた時、あなたはどう感じるであろうか?   ・題名   『変身』  ・作者   フランツ=カフカ ・国    ドイツ ・執筆   1912年11月 ・発表   1915年 ・訳者  …
『工藤ちゃん』が耳に谺した 松田優作主演『TV探偵物語』 ★趣味

『工藤ちゃん』が耳に谺した 松田優作主演『TV探偵物語』

昔ヒットしたTV番組「探偵物語」。主演は勿論、松田優作。 イタリア製のバイク「ベスパ」に乗り、颯爽と登場。 コミカル且つ、ニヒルでダンディな探偵に夢中になった人も多い筈。   今回、探偵物語にスポットを当ててみた。 因みに、番組主題歌も大ヒット。一度は聴いた事があると思う。   …
見知らぬ物に対する盲目の尊敬と権威主義 森鴎外『寒山拾得』 ★書物・雑誌

見知らぬ物に対する盲目の尊敬と権威主義 森鴎外『寒山拾得』

以前森鴎外の作品を紹介したが、今回は同じ鴎外作品『寒山拾得』を取り挙げたい。 バリバリの明治政府の高級官僚だった作者が、皮肉を込めて描いた作品と言えるかもしれない。   登場人物   ◆閭丘胤(りょきゅういん) 唐の貞観の頃(627~649年)の官吏。人事異動で台州主簿に任命され…
源頼朝は平家滅亡後、何故源義経を討伐したのか ★歴史

源頼朝は平家滅亡後、何故源義経を討伐したのか

1185(文治元)年、長門の壇之浦で平家が滅亡。 平家滅亡後、源頼朝と源義経の対立。兄頼朝が弟義経を討つかたちとなる。 何故、兄弟同士が争う羽目になったのか。今回はその経緯を述べたい。   平家滅亡 1185(文治元)年、平清盛出現後に栄耀栄華を誇った平家一門は、源義朝の遺児「源義経」を総…
料理漫画だが、料理より登場するキャラが面白い『包丁人味平』 ★趣味

料理漫画だが、料理より登場するキャラが面白い『包丁人味平』

大昔に見た料理漫画。料理漫画と云うよりも、何か人間としての生き方を教わった漫画だったのかもしれない。 今回は、懐かしい漫画を紹介したい。   ・題名        『包丁人味平』 ・原作         牛 次郎 ・作画         ビック錠 ・出版社        集英社 ・掲載誌 …
少年時代、皆が真似た映画 ジャッキー・チェン『蛇拳』 ★映画

少年時代、皆が真似た映画 ジャッキー・チェン『蛇拳』

懐かしい香港映画。 ジャッキー・チェン(成龍)シリーズの一つ「蛇拳」。 地上波で放送された翌日、学校ではジャッキー・チェンが溢れていた。 そんな素朴な時代の映画。   ・題名      『蛇拳』      ・公開      1977年 香港 ・配給      思遠影業、東映  ・監督   …
国・企業が推進するキャッシュレス化、本当に消費者の為? ★時事問題

国・企業が推進するキャッシュレス化、本当に消費者の為?

最近、大手コンビニが新たな会社独自の決済を導入。導入後すぐに不具合が発覚。 その後、導入して僅か3ヵ月で決済を中止すると発表。   他国より遅れていると言われる、日本のキャッシュレス化。 そもそもキャッシュレス化は利用する側にとり、本当に便利なのだろうか。   国も来年のオリンピ…