★書物・雑誌

芸術至上主義の極み 芥川龍之介『地獄変』 ★書物・雑誌

芸術至上主義の極み 芥川龍之介『地獄変』

今回は、芥川龍之介の代表作の一つである、『地獄変』を取り上げます。 代表作であるが、何故今迄紹介しなかったのか。それは作品を読んだ後、私としてはあまり善い感想を持たない作品の為。 どうしてあまりよい感想を持たないかと云えば、作品をしる人であれば読んだ後、何か後味の悪いモノが残るからと云えば的確かもし…
騙そうとした嘘が、本当になった話 芥川龍之介『竜』 ★書物・雑誌

騙そうとした嘘が、本当になった話 芥川龍之介『竜』

★芥川龍之介 短編小説シリーズ   ・題名       『竜』 ・新潮社      新潮文庫  『地獄変・偸盗』内 ・発行       昭和43年11月 ・発表       大正8年5月 『中央公論』   登場人物   ◆宇治の大納言隆国 源隆国。平安時代中期の官僚。文…
甲斐性の無い男の嫉妬 松本清張『喪失』 ★書物・雑誌

甲斐性の無い男の嫉妬 松本清張『喪失』

★松本清張短編小説シリーズ   ・題名          『喪失』 ・双葉社          双葉文庫 ・発行           1995年5月  発行 【「顔」内】 ・発表           新潮    1957年3月   登場人物 ◆田代二郎 28才の妻子持ちの男性。運…
さり気ない一言が、犯人の心を揺さぶった 松本清張『反射』 ★書物・雑誌

さり気ない一言が、犯人の心を揺さぶった 松本清張『反射』

★松本清張短編小説シリーズ   ・題名          『反射』 ・双葉社         双葉文庫 ・発行          1995年5月  発行 【「顔」内】 ・発表          角川文庫    1956年8月   登場人物 ◆霜井正雄 梲の上がらない、しがないサラ…
心の中の投影 松本清張『内なる線影』 ★書物・雑誌

心の中の投影 松本清張『内なる線影』

★松本清張短編小説シリーズ   ・題名        『内なる線影』 ・新潮社        新潮文庫 ・昭和         昭和51年 5月 発行 【「巨人の磯」内】 ・発表         小説新潮(1971年 9月号)   登場人物 ◆枝村 東京の付属大学病院精神科医局に…
各々、異なる証言。果たして真相は 芥川龍之介『藪の中』 ★書物・雑誌

各々、異なる証言。果たして真相は 芥川龍之介『藪の中』

以前、映画『羅生門』を紹介した際、題名は羅生門だが、内容は同じ芥川の小説『藪の中』だと述べた。 そのブログが何故か有難い事に、閲覧数の上位にランキングされているのが何か不思議な気がする。 今回は映画の内容を改にする為、小説『藪の中』を紹介したい。   ★芥川龍之介短編小説シリーズ &nbs…
分相応な妻を貰うのが、幸せかもしれない 松本清張『礼遇の資格』 ★書物・雑誌

分相応な妻を貰うのが、幸せかもしれない 松本清張『礼遇の資格』

★松本清張 短編小説シリーズ   ・題名       『礼遇の資格』 ・新潮社       新潮文庫 ・昭和        昭和51年 5月 発行 【「巨人の磯」内】 ・発表        小説新潮(1972年 2月号)   登場人物 ◆原島栄四郎 大学卒業後、市中の一流銀行に勤…
未必の故意、それとも 松本清張『なぜ「星図」は開いていたか』 ★書物・雑誌

未必の故意、それとも 松本清張『なぜ「星図」は開いていたか』

★松本清張短編小説シリーズ   ・題名         『なぜ「星図」が開いていたか』 ・双葉社         双葉文庫 ・発行         1995年5月 発行 【「顔」内】   登場人物 ◆藤井都久雄 都内の私立高校(東都中央学園)に勤める38才の教師。勤め先の学園の理…
冒険心が恐怖心に変わった瞬間 芥川龍之介『トロッコ』 ★書物・雑誌

冒険心が恐怖心に変わった瞬間 芥川龍之介『トロッコ』

★芥川龍之介短編小説シリーズ   ・題名      『トロッコ』 ・新潮社     新潮文庫  『蜘蛛の糸・杜子春』内 ・発行      昭和43年11月 ・発表      大正11年 3月 『大観』   登場人物 ◆良平 小田原熱海間の近くに住む、8才の少年。良平の住む村の近く…
地獄から抜け出す寸前、醜い心が招いた結果 芥川龍之介『蜘蛛の糸』 ★書物・雑誌

地獄から抜け出す寸前、醜い心が招いた結果 芥川龍之介『蜘蛛の糸』

★芥川龍之介短編小説シリーズ   ・題名       『蜘蛛の糸』 ・新潮社      新潮文庫  『蜘蛛の糸・杜子春』内 ・発行       昭和43年 11月 ・発表       大正 7年  7月 『赤い鳥』   登場人物 ◆犍陀多 生前、様々な悪い事をして人に迷惑をかけた…
真面目な男が、一度道を踏み外した時 松本清張『坂道の家』 ★書物・雑誌

真面目な男が、一度道を踏み外した時 松本清張『坂道の家』

★松本清張 短編小説シリーズ   ・題名        『坂道の家』 ・新潮社        新潮文庫 ・昭和         昭和46年10月 発行 【「黒い画集」内】 ・発表         「週刊朝日」 昭和34年1月4日号~4月19日号    登場人物 ◆杉田りえ子 杉田…
自殺幇助、それとも殺人 松本清張『紐』 ★書物・雑誌

自殺幇助、それとも殺人 松本清張『紐』

★松本清張 短編小説シリーズ   ・題名         『紐』 ・新潮社        新潮文庫 ・昭和         昭和46年10月 発行 【「黒い画集」内】 ・発表         「週刊朝日」 昭和34年6月14号~8月30日号      登場人物 ◆田村係長 警視庁…
流れ着いた腐乱死体。正確な死亡推定時刻は 松本清張『巨人の磯』 ★書物・雑誌

流れ着いた腐乱死体。正確な死亡推定時刻は 松本清張『巨人の磯』

★松本清張短編小説シリーズ   ・題名       『巨人の磯』 ・新潮社       新潮文庫 ・昭和        昭和51年 5月 発行 【「巨人の磯」内】 ・発表        小説新潮(1970年10月号)   登場人物 ◆清水泰雄 九州出身の法医学教授。仙台で開かれた…
籤を引いた「穢れ」の意識が、そうさせたのか 松本清張『赤いくじ』 ★書物・雑誌

籤を引いた「穢れ」の意識が、そうさせたのか 松本清張『赤いくじ』

★松本清張 短編小説シリーズ   ・題名       『赤いくじ』 ・新潮社       新潮文庫 ・昭和        昭和40年6月 発行 【或る「小倉日記」伝内】 ・発表        オール讀物(1954年3月~1955年6月)   登場人物 ◆塚西恵美子 夫は道庁の役人…
同情が愛情に変わったのか 松本清張『失敗』 ★書物・雑誌

同情が愛情に変わったのか 松本清張『失敗』

★松本清張短編小説シリーズ   ・題名     『失敗』 ・双葉社    双葉文庫   ・発行     2016年12月 松本清張ジャンル別作品集『社会派ミステリー』内   登場人物 ◆島田良平 東北地方の中都市、D市の警察署に勤務するベテラン刑事。 管轄区に在住する女房の夫、大…