籤を引いた「穢れ」の意識が、そうさせたのか 松本清張『赤いくじ』 ★書物・雑誌

籤を引いた「穢れ」の意識が、そうさせたのか 松本清張『赤いくじ』

★松本清張 短編小説シリーズ   ・題名       『赤いくじ』 ・新潮社       新潮文庫 ・昭和        昭和40年6月 発行 【或る「小倉日記」伝内】 ・発表        オール讀物(1954年3月~1955年6月)   登場人物 ◆塚西恵美子 夫は道庁の役人…
裏切りの名人、それとも変わり身の達人? 色々主君を変えた『藤堂高虎』 ★歴史

裏切りの名人、それとも変わり身の達人? 色々主君を変えた『藤堂高虎』

戦国時代は生き残る為、裏切りが当たり前だった。 その中でも仕える主君を色々変え、生き残った人物がいる。 その名は、『藤堂高虎』。今回は、その高虎にスポットを当ててみたい。   経歴 ・名前    藤堂高虎、与吉(幼名)、藤堂与右衛門 ・生誕    1556(弘治2)年(誕)~1630(寛永…
自動車事故の被害者になった時、甚だ感じた矛盾 ★時事問題

自動車事故の被害者になった時、甚だ感じた矛盾

突然ですが皆様、自動車を保有した事がおありでしょうか。 私は現在地方に在住の為、車が無ければ生活がほぼ不可能な環境にいます。 社会人となってからは、車を保有していない時期がありません。 それ程地方に取り、車は身近な存在であり、生活になくてはならないものです。   しかし必需品であるからこそ…
掴み処のない若者を描いた作品 松田優作主演『野獣死すべし』 ★映画

掴み処のない若者を描いた作品 松田優作主演『野獣死すべし』

今回は、久しぶりに懐かしい邦画を見ました。新型ウイルスで不要不急の外出は自粛中でしたので、20年以上は見ていなかった映画になります。 松田優作主演、『野獣死すべし』です。   ・題名       『野獣死すべし』 ・監督         村川透 ・脚本      丸山昇一 ・製作     …
同情が愛情に変わったのか 松本清張『失敗』 ★書物・雑誌

同情が愛情に変わったのか 松本清張『失敗』

★松本清張短編小説シリーズ   ・題名     『失敗』 ・双葉社    双葉文庫   ・発行     2016年12月 松本清張ジャンル別作品集『社会派ミステリー』内   登場人物 ◆島田良平 東北地方の中都市、D市の警察署に勤務するベテラン刑事。 管轄区に在住する女房の夫、大…
難しい読み方 固有名詞編 ★教養・実践

難しい読み方 固有名詞編

先日迄の外出自粛を受け、皆さんの多くが家に籠っていた時、意外に閲覧数が増えたブログ(ページ)がありました。 それはかなり前、難しい漢字の読み方を紹介したブログです。   想像するにおそらく、家にいて時間に余裕があった為、ネットを利用。興味本位で検索した際、当ブログがひっかかったものと思われ…
横領した金で逃避行、旅先で見た物 松本清張『拐帯行』 ★書物・雑誌

横領した金で逃避行、旅先で見た物 松本清張『拐帯行』

★松本清張短編小説シリーズ ・題名       『拐帯行』 ・双葉社       双葉文庫   ・2016年     12月発行  松本清張ジャンル別作品集『社会派ミステリー』内   登場人物 ◆森崎隆志 しがない会社に勤める青年。自分の生い立ち、将来を悲観。恋人と供に、死を計画する。 死…
一難去って、又一難 松本清張『繁盛するメス』 ★書物・雑誌

一難去って、又一難 松本清張『繁盛するメス』

★松本清張短編小説シリーズ   ・題名       『繁盛するメス』 ・双葉社       双葉文庫   ・発行        2016年12月 松本清張ジャンル別作品集『社会派ミステリー』内   登場人物 ◆大宮博(戸村重雄) 元軍隊の衛生兵。終戦後、外科医となりすまし、都心の…
武人であり文化人 自由奔放に生きた武将『前田慶次郎』 ★歴史

武人であり文化人 自由奔放に生きた武将『前田慶次郎』

戦国時代、一風変わった武将がいた。武人で在りながら、文化の嗜みがあった武将。 今回、自由奔放に生きたと云われる『前田慶次郎』を取り挙げたい。 昔の漫画で原哲夫原作:『花の慶次』の主人公と云えば、分かり易いかもしれない。   経歴 ・名前    前田慶次郎、前田慶次、前田長益 ・生涯    …
失踪した人妻 夫には完璧なアリバイが 松本清張『火と汐』 ★書物・雑誌

失踪した人妻 夫には完璧なアリバイが 松本清張『火と汐』

★松本清張 短編小説シリーズ   ・題名         『火と汐』 ・双葉社         双葉文庫   ・2016年      12月発行  松本清張ジャンル別作品集『社会派ミステリー』内 ・発表         『オール読物』  昭和42年 11月   登場人物 ◆曽根晋…
複雑に絡む3人の関係 斎藤利三、お福(春日局)、稲葉正成 ★歴史

複雑に絡む3人の関係 斎藤利三、お福(春日局)、稲葉正成

いつもであれば、歴史上の人物を一人ずつ紹介するが、今回は珍しく一挙に3人紹介したい。 何故3人なのかと云えば、3人の関係が互いに絡みあい、複雑な様相を呈している為。   その3人とは斉藤利三、お福(後の春日局)、稲葉正成。 歴史好きな方であれば、3人の名前を聞いただけで、ピンとくると思う。…
美談なのか、それとも皮肉なのか 森鴎外『護持院原の敵討』 ★書物・雑誌

美談なのか、それとも皮肉なのか 森鴎外『護持院原の敵討』

★森鴎外 短編小説   ・題名       『護持院原の敵討』 ・作者       森鴎外 ・発表       大正2年10月 ・筑摩書房     ちくま日本文学全集           1992年 2月発行   登場人物 ◆山本三右衛門 播磨の国、姫路城主酒井忠実に仕える侍。役…
人事における逆恨み 松本清張『偶数』 ★書物・雑誌

人事における逆恨み 松本清張『偶数』

★松本清張 短編小説シリーズ   ・題名        『偶数』 ・新潮社        新潮文庫   ・昭和40年      7月発行    『駅路』内   登場人物 ◆城野光夫 大手一流会社の社員。調査の副課長であるが、会社中では閑職に近い。 自分が七年近く閑職に追いやら得て…
死亡推定時刻の僅かなズレ 松本清張『誤差』 ★書物・雑誌

死亡推定時刻の僅かなズレ 松本清張『誤差』

★松本清張 短編小説シリーズ   ・題名        『誤差』 ・新潮社       新潮文庫   ・昭和40年     7月発行    『駅路』内   登場人物 ◆大村青年 結核を患い、夏の初めから温泉地で湯治している、地方地主の小倅。 湯治場で、川田屋の女中ふみ江と懇ろにな…
情に厚い猛将だが、政治力の無さ故、敗れた武将『柴田勝家』 ★歴史

情に厚い猛将だが、政治力の無さ故、敗れた武将『柴田勝家』

今回は、織田信長の宿老として有名な『柴田勝家』を取り挙げたい。 信長の統一事業で、欠かす事のできない武将の一人。   猛将でありながら、政治力な無さ故、同じ信長の配下で「人たらしの名人」と云われた羽柴秀吉に敗れた人物と云えるかもしれない。   経歴 ・名前    柴田勝家、権六郎…