★書物・雑誌 23 4月 2020 精神的幸福と物質的幸福、あなたは何方が満足? 芥川龍之介『運』 ★芥川龍之介短編小説シリーズ ・題名 『運』 ・新潮社 新潮文庫 ・発行 昭和43年7月 ・発表 大正6年 1月 『文章世界』 ・原作 今昔物語及び、宇治拾遺物語 登場人物 ◆若侍 作品中で登場する侍。時は平安時代。 若侍と表記されているのみで… 続きを読む
★書物・雑誌 8 4月 2020 動物版 勧善懲悪もの? 芥川龍之介『白』 ★芥川龍之介短編小説シリーズ ・題名 『白』 ・新潮社 新潮文庫 ・昭和 43年11月発行 ・発表 大正12年8月『女性改造』 登場人物 ◆白 ごく一般家庭で飼われた、飼い犬。ある時急に、犬の毛が白から黒に変わる。色が変わった事で、飼い主一家から… 続きを読む
★書物・雑誌 15 3月 2020 人が不幸な境遇から脱した時、相反する心情 芥川龍之介『鼻』 ★芥川龍之介 短編小説シリーズ ・題名 『鼻』 ・新潮社 新潮文庫 ・発行 昭和43年7月 ・発表 大正 5年1月 ・原作 今昔物語及び、宇治拾遺物語 登場人物 ◆禅智内供 宮中にて仏門に仕える僧の役職。名前ではない。小説に登場する僧は、鼻… 続きを読む
★書物・雑誌 26 2月 2020 芥川龍之介の世界観 『河童』 ★芥川龍之介の世界観 自殺間際の作品 ・題名 『河童』 ・副題 「どうか Kappa と発音して下さい。」 ・新潮社 新潮文庫 ・昭和43年 12月発行 ・発表 昭和2年3月 『改造』 ※1927年 &nbs… 続きを読む
★書物・雑誌 7 12月 2019 お佐代さんの望みは 森鴎外『安井夫人』 ★森鴎外 短編小説 ・題名 『安井夫人』 ・筑摩書房 ちくま日本文学全集 ・発行 1992年 2月 ・大正3年3月 発表(1914年) 登場人物 ◆仲平 江戸時代の日向国宮崎郡清武村の士族、滄洲翁の次男。 背が低く、幼少の頃の疱瘡が原因で、隻… 続きを読む
★書物・雑誌 29 11月 2019 要らない自慢をして、回り道をした話 芥川龍之介『犬と笛』 ★芥川龍之介 短編小説 ・題名 『犬と笛』 ・原作 芥川龍之介 ・新潮社 新潮文庫 ・昭和43年 11月発行 ・大正 8年 1月発表(1921年)【赤い鳥】 登場人物 ◆髪長彦 葛城山の麓に住む、若い木樵。 顔形が女性の様に優し… 続きを読む
★書物・雑誌 1 11月 2019 時節読み返し、人生を振り返る作品 芥川龍之介『杜子春』 ★芥川龍之介、短編小説シリーズ ・題名 『杜子春』 ・新潮社 新潮文庫 【蜘蛛の糸・杜子春】短編小説収録 ・昭和43年 11月 発行 ・大正 9年 7月 発表 (1920年)【赤い鳥】 登場人物 ◆杜子春 中国唐の時代の洛陽に佇む青年… 続きを読む
★書物・雑誌 20 10月 2019 臆病な自尊心と、尊大な羞恥心の成れの果て 中島敦『山月記』 今回は学生時代、読んだ作品を取り挙げたい。 ・題名 『山月記』 ・原作 中島敦 ・新潮社 新潮文庫 ・昭和44年 9月発行 ・昭和17年 2月発表 登場人物 ◆李徴 若くにして科挙に合格。才気溢れる青年であったが、自分の自尊心が災い… 続きを読む
★書物・雑誌 19 8月 2019 得体の知れない物を見た時、人間の驚きと戸惑い。カフカ『変身』 今回は洋書の名作を取り上げてみた。或る日突然自分が変身を遂げた。 結果として周囲の者から差別と偏見の目でみられた時、あなたはどう感じるであろうか? ・題名 『変身』 ・作者 フランツ=カフカ ・国 ドイツ ・執筆 1912年11月 ・発表 1915年 ・訳者 … 続きを読む
★書物・雑誌 17 8月 2019 見知らぬ物に対する盲目の尊敬と権威主義 森鴎外『寒山拾得』 以前森鴎外の作品を紹介したが、今回は同じ鴎外作品『寒山拾得』を取り挙げたい。 バリバリの明治政府の高級官僚だった作者が、皮肉を込めて描いた作品と言えるかもしれない。 登場人物 ◆閭丘胤(りょきゅういん) 唐の貞観の頃(627~649年)の官吏。人事異動で台州主簿に任命され… 続きを読む
★書物・雑誌 7 8月 2019 現代社会でも、然程変わらない話 森鴎外『山椒大夫』 今回取り挙げる作品は、森鴎外の『山椒大夫』。大昔、映画化もされた作品。 最も『安寿と厨子王』と云った方が、馴染みが深いかもしれません。 子供の頃、絵本・TVの昔話等で、一度は見聞きしたのではないでしょうか。 ・題名 『山椒大夫』 ・作者 森鴎外 ・発表 1… 続きを読む
★書物・雑誌 16 7月 2019 人間一体、何が幸せなのか分からない 森鴎外『高瀬舟』 少子高齢化が進む今日の日本社会。今後必ず検討されるであろう、安楽死。 安楽死は、100年以上前から検討されていた問題。 タブーと言う事で、俎上にのらないだけだが、将来的に避けて通れない議論となろう。 更に深く読めば、決して安楽死だけではないと思える作品。 ・題名 『高… 続きを読む
★書物・雑誌 15 7月 2019 さり気ない一言で、お上から父の命を救った話 森鴎外『最後の一句』 さり気ないが、皮肉めいた言葉を放ち、お上から父を救った話。 その言葉は古今東西を問わず、通ずるものがあろう。 そんな考えが頭をよぎり、森鴎外の「最後の一句」を読み返してみた。 ・題名 『最後の一句』 ・作者 森鴎外 ・発表 大正4年 10月発表(1915年) ・発行… 続きを読む
★書物・雑誌 9 7月 2019 宋代、科挙に失敗した男が、西域の砂漠で見たもの 井上靖『敦煌』 懐かしい小説を読み返しました。作品は、井上靖『敦煌』です。 1988年のバブル経済華やかなりし時、映画化もされました。 当時を反映、広大なスペクタクル作品となったのを記憶しています。 今回は原作と映画を踏まえ、述べてみました。 登場人物 ◆趙行徳 科挙の最終… 続きを読む
★書物・雑誌 8 7月 2019 長年の夢が叶った瞬間、胸に去来するもの 芥川龍之介『芋粥』 人間は長い間、憧れていた夢が現実となった時、果たしてどのような思いが頭を過るのか。 今回、その様な事を考え乍、芥川龍之介の小説『芋粥』を読み返してみました。 ・題名 『芋粥』 ・原作 芥川龍之介作 (大正5年 9月発表) 登場人物 ◆何某の五位 名前さえない、身分の低い… 続きを読む