書物・雑誌

死者の尊厳を考えさせられた作品 『死体は語る』著者:上野正彦 ★映画

死者の尊厳を考えさせられた作品 『死体は語る』著者:上野正彦

今回紹介する作品は、『死体は語る』です。 実は今回のブログは、前回のブログより先に発表するつもでしたが、前回の話題がニュースとなり、急遽上げた形となりました。 本来は、此方が先に上げるつもりでした。   何故、逆になったのか。それは余りにも前回の話題が私にとり、腹立だしかった為です。 では…
未完成故の面白さと、後の内容の空想 芥川龍之介『邪宗門』 ★書物・雑誌

未完成故の面白さと、後の内容の空想 芥川龍之介『邪宗門』

★芥川龍之介 短編小説シリーズ 今回紹介する小説は、芥川龍之介『邪宗門』です。 ご存じの方は既にお分かりでしょうが、この作品は龍之介が手掛けた作品中でも、未完成で終わっています。 未完成故、最後はもし龍之介が其の後を描くのであれば、この様に描かれていたのではなかろうかとの推測を交え、私なりに意見を述…
魑魅魍魎とした人間関係 芥川龍之介『偸盗』 ★書物・雑誌

魑魅魍魎とした人間関係 芥川龍之介『偸盗』

★芥川龍之介 小説シリーズ   ・題名        『偸盗』 ・新潮社       新潮文庫  『地獄変・偸盗』内 ・発行        昭和43年11月 ・発表        大正6年4月・7月 『中央公論』 ・参考        『今昔物語』巻29 第3   登場人物 ◆太…
人生を達観した生き方? 『徒然草』上巻 93段 ★書物・雑誌

人生を達観した生き方? 『徒然草』上巻 93段

★今回は、「徒然草」の人生の悟りともいうべき段を紹介します。   ・出典元     『徒然草』 ・上巻       第九十三 引用 ・出だし     「牛を売る人あり。買う人、明日その価をやりて、」   ◆原文 「牛を売る者あり。買ふ人、明日その値をやりて、牛を取らんといふ。夜の…
後があると思えば、油断が生じる 『徒然草』上巻 92段 ★書物・雑誌

後があると思えば、油断が生じる 『徒然草』上巻 92段

★今回は、「徒然草」の人生に於ける戒めとなる段を紹介します。   ・出典元     『徒然草』 ・上巻       第九十二 引用 ・出だし      或る人、弓射る事を習うに、   ◆原文 或人、弓射る事を習ふに、諸矢をたばさみて的に向ふ。師の曰く、「初心の人、二つ矢をもつこと…
物事には何にでも、案内人が欲しいものだ 『徒然草』上巻 第52段 ★書物・雑誌

物事には何にでも、案内人が欲しいものだ 『徒然草』上巻 第52段

最近、吉田兼好の「徒然草」を初めて紹介しました。今回から、シリーズ化してみたいと思います。 今回は紹介する作品は、前回も少し触れましたが、古典の授業で必ず取り上げられる作品。『仁和寺の法師』です。   ・出典元      『徒然草』 ・上巻       第52段 引用 ・出だし      …
幽玄の中の、一瞬の興ざめ 『徒然草』上巻 第11段 ★書物・雑誌

幽玄の中の、一瞬の興ざめ 『徒然草』上巻 第11段

今回は珍しく、古典を取り上げます。 取り上げる古典とは、昔中・高校時代に必ず学んだと思われる吉田兼好の『徒然草』の一部です。 あまり難しいものでなく、皆様にも親しんでもらえる内容を紹介したいと思います。   そう云えば、ブログを立ち上げた時、兼好法師の徒然草の序の段を引用しましたが、まだ一…
芸術至上主義の極み 芥川龍之介『地獄変』 ★書物・雑誌

芸術至上主義の極み 芥川龍之介『地獄変』

今回は、芥川龍之介の代表作の一つである、『地獄変』を取り上げます。 代表作であるが、何故今迄紹介しなかったのか。それは作品を読んだ後、私としてはあまり善い感想を持たない作品の為。 どうしてあまりよい感想を持たないかと云えば、作品をしる人であれば読んだ後、何か後味の悪いモノが残るからと云えば的確かもし…
騙そうとした嘘が、本当になった話 芥川龍之介『竜』 ★書物・雑誌

騙そうとした嘘が、本当になった話 芥川龍之介『竜』

★芥川龍之介 短編小説シリーズ   ・題名       『竜』 ・新潮社      新潮文庫  『地獄変・偸盗』内 ・発行       昭和43年11月 ・発表       大正8年5月 『中央公論』   登場人物   ◆宇治の大納言隆国 源隆国。平安時代中期の官僚。文…
各々、異なる証言。果たして真相は 芥川龍之介『藪の中』 ★書物・雑誌

各々、異なる証言。果たして真相は 芥川龍之介『藪の中』

以前、映画『羅生門』を紹介した際、題名は羅生門だが、内容は同じ芥川の小説『藪の中』だと述べた。 そのブログが何故か有難い事に、閲覧数の上位にランキングされているのが何か不思議な気がする。 今回は映画の内容を改にする為、小説『藪の中』を紹介したい。   ★芥川龍之介短編小説シリーズ &nbs…
冒険心が恐怖心に変わった瞬間 芥川龍之介『トロッコ』 ★書物・雑誌

冒険心が恐怖心に変わった瞬間 芥川龍之介『トロッコ』

★芥川龍之介短編小説シリーズ   ・題名      『トロッコ』 ・新潮社     新潮文庫  『蜘蛛の糸・杜子春』内 ・発行      昭和43年11月 ・発表      大正11年 3月 『大観』   登場人物 ◆良平 小田原熱海間の近くに住む、8才の少年。良平の住む村の近く…
地獄から抜け出す寸前、醜い心が招いた結果 芥川龍之介『蜘蛛の糸』 ★書物・雑誌

地獄から抜け出す寸前、醜い心が招いた結果 芥川龍之介『蜘蛛の糸』

★芥川龍之介短編小説シリーズ   ・題名       『蜘蛛の糸』 ・新潮社      新潮文庫  『蜘蛛の糸・杜子春』内 ・発行       昭和43年 11月 ・発表       大正 7年  7月 『赤い鳥』   登場人物 ◆犍陀多 生前、様々な悪い事をして人に迷惑をかけた…
美談なのか、それとも皮肉なのか 森鴎外『護持院原の敵討』 ★書物・雑誌

美談なのか、それとも皮肉なのか 森鴎外『護持院原の敵討』

★森鴎外 短編小説   ・題名      『護持院原の敵討』 ・作者       森鴎外 ・発表       大正2年10月 ・筑摩書房     ちくま日本文学全集           1992年   2月発行   登場人物 ◆山本三右衛門 播磨の国、姫路城主酒井忠実に仕える侍。…
嫉妬に駆られ、侍女を殺害した美人詩家 森鴎外『魚玄機』 ★書物・雑誌

嫉妬に駆られ、侍女を殺害した美人詩家 森鴎外『魚玄機』

★森鴎外 短編小説   ・題名          『魚玄機』 ・作者           森鴎外 ・大正4年(1915)   7月発表 ・筑摩書房         ちくま日本文学全集  1992年 2月発行   登場人物   ◆魚玄機(ぎょげんき) 名は魚、字は幼微。遊…
立身出世の為、愛しい人を捨てた話 森鴎外『舞姫』 ★書物・雑誌

立身出世の為、愛しい人を捨てた話 森鴎外『舞姫』

★森鴎外 短編小説   ・題名        『舞姫』 ・筑摩書房      ちくま日本文学全集 ・発行        1992年 2月 ・発表        1890年(明治23)8月号『国民之友』   登場人物 ◆太田豊太郎 明治政府の将来を嘱望されたエリート官僚。国費にて、…