身近に感じた、矛盾と不快

今回、久々に身近に感じた出来事をブログで述べたい。
その内容はズバリ、タイトル通り身近に感じた矛盾と不快。思うままに、意見を述べたい。
目次
日本人に潜在する、サービス業に対する意識
いきなり難しい言葉を掲げましたが、要は日本人のサービス業に対する、評価の低さと述べれば理解し易いかもしれません。
結論を先に述べれば、
と云う事を私は述べたい。更に付け加えるとすれば
もありだと思う。
以前ブログでも述べたが、私は過去、旅行代理店に勤めた経験がある。
その時、幾つか海外を回った。
所謂「先進国・発展途上国」に拘わらず、日本人ほどお客様に対し、
きめ細かいサービスを提供、又はきめ細かいサービスを求める民族はいない と実感した。それは海外から帰った際、如実に感じた。
何故わざわざ大昔の話をしたのかと云えば、最近その事をしみじみと感じた為。
それは何かといえば、此れも広い意味で言えば旅行に係わるが、以前
「GoToトラベル」政策 果たして一体、誰の為
というブログを上げた。
今回は、それに付随した出来事での矛盾、不快に感じた出来事を述べたい。
セルフサービスに対しての、日本人の感覚
此れも結論から述べるが、日本人は長い間、海に囲まれ外国との折衝が少ない為、「島国意識」。
或いはややもすれば、「甘え」とも云うべき感覚が日本人の心の中に存在するのかもしれない。
その理由の一つに、未だにセルフサービス(自分自身で行う)という言葉の意味が理解できない、又は意識がないのではないかと痛感する。
日本人の心の何処かで、他人に「やって貰って当たり前」という感覚がしみついている気がする。
国境が
最近ではガソリンスタンド、スーパーでのセルフレジ、コンビニのコーヒー、ウエブでの宅配等、かなり浸透してきた感があるが、実際はまだまだと実感する。
その原因はやはり、長い間海外と国境が隔てられ、自らの意思で物事を進めると言う感覚が欠如しているからと思われる。
処が近年の文明の発達で、日本と海外の時間や空間が、一挙に狭まった。
国が観光立国を推進している事もあり、海外から日本に観光目的で訪日する外国人が増えた。
外国人が増えた為でもあろうが、外国人と日本人を比較する事で、私は益々日本人の足りないと処を認識した。
それは先程から何度も述べているように、「精神的自立」とも云うべきであろうか。
つまり多少は他人を頼りにしてもよいが、最後は自分で決断。行動するのが大切だと言う事を主張したい。
更に付け加えれば、
と思う。
次に何故私がそのように至ったにかを、具体的に述べたい。
接客をして感じた、矛盾と不快
以前も話したが、私は現在、接客業に従事している。
今回は話題は、それに関するお話。
簡単に言えば、接客をした際、お互いの価値観のズレにより、互いが不快な思いをしたと云う事。
具体的に述べれば、2年前に国が実施した「GoToトラベル」と似た政策が、今年から各地域で再開された。
それに関係するトラブルに巻き込まれた。
今回の出来事を理解する上で細かい説明を省き概略だけ説明するが、再開された旅行サービスの前回との大きな違いは、
旅行者に支給される観光クーポンは、紙クーポンではなく、殆どが電子クーポンに変わったと言う点。
紙クーポンではなく、電子クーポンになったと言う事は、電子クーポンを自分自身で使い熟さなければならないと云う事。
もっと分かり易く言えば、宿泊先で支給された電子クーポン使う為には、自らがクーポンを発券している組織にスマホで接続。
使えるように手続きをしなければならない、と言う事になります。
勘の良い方であれば、ピンとくるかもしれません。
スマホがなければ、電子クーポンの恩恵を受けれないと言う事になります。
ガラケーの人は、論外。
一部ではガラケー用の為、紙クーポンを発行している処もあるようです。
しかし今では殆どの方がスマホを所持している為、紙クーポンを見ませんでした。
更に電子クーポンを使用する際に重要な点は、電子クーポンを使用する際、精算する直前にスマホで、電子クーポンの有効化をしなければならないと言う事です。
因みに店側は、お客様のスマホに一切触れてはいけません。
何故なら、スマホはお客様個人の所有物であり、個人情報も含む為、店員は触れてはいけない決まりになっています。
つまり銀行のキャシュカードと同じ扱いとなります。
その為、親切心で店員がスマホに触れ、電子クーポンを入力する行為はNGとなります。
お客様の中には電子クーポンをスマホに取り組む事ができず、初めの段階から説明しなければならない事もあります。
責任を明確にする為に述べますが、実は電子クーポンの使用法と扱い方は、 電子クーポンを支給する宿泊先がしなければならない 行為となります。
つまり精算時、お客様が電子クーポンを事前にスマホに取り組む作業の説明は、宿泊側の責任となります。
しかし今迄電子クーポンを利用された殆どのお客様は、宿泊先から詳しい説明を受けていない。
宿泊先は電子クーポンを配るのみで、使用される店側に丸投げしてるのが現状。
お客様に聞いた処、宿泊先は使用する際、「店側に聞いて下さい」と説明されたと明言した人もいた。
此れは宿泊先の明らかな怠慢。宿泊側は、ただ旅行者に配るのみ。
ただ政府機関から補助金を貰うのが目的。
さらに宿泊側の怠慢を挙げれば、宿泊先はクーポンが使える店を把握していないと言う事。
何の事かと、疑問に思うかもしれません。
厳密に言えば、宿泊先はクーポンを配る際、どこどこの店で使えますと説明しなければならないと言う事です。
処がお客様が来店し、お客様が此方に質問する大半は、
「このクーポン使えますか?」
になります。
私は上記の言葉を聞いた時、必ず「このお客様は時間が掛かるな」と心の中で意識します。
それは会計際、凡そ現実となります。理由は、何度も繰り返し述べている通りです。
繰り返し述べるが、お客様が事前に電子クーポンをスマホ内で有効化しなければなりません。
店側としては会計の際、
①お客様が店側の二次元コードをスマホで読み取る。
②其の後、ご自身のスマホで会計処理を行う。
③店側は、お客様がスマホで会計を済ませた事を目視で確認。
④店側は、目視で確認した金額をレジに入力。精算終了となる。
ややこしいのは、お客様は精算の際、クーポン全額を使わなくでも良い事。
つまり買い物金額が支給されたクーポンの金額を一括で使う必要はないと言う事。
クーポンの金額に満たなければ、繰り越しで他の店でも仕えると言う事。
もうこの時点で意味が分からず、脱落している人もいるかと思います。
私も再開される旅行クーポンのマニュアルを見た時、「此れはダメ」だと直観した。
理由は、今迄述べてきた通り。
如何にも現場をしらないお役人が、バラマキの為に行う政策だと悟った。
もう末端(現場)の人間にすれば、混乱するのが目に見えて分かった。
電子クーポンを、お客様ご自身がスマホで有効化。
お客様は使用する際、ご自身でスマホを操作。会計処理を実施。
店側はお客様が会計処理をした事を、目視で確認。其の後。精算処理を行う。
政府機関はペーパレス化を推進したと自負しているかもしれないが、此れは時間と労力を考えた際、全く時代と逆行している。
紙クーポンの方がまだスムーズだった。紙クーポンであれば、店側は一瞬で確認。精算が可能だった。
此れは当に失政の何物でもない。
使う側(お客様)と使われる側(店側)の利便さを無視したものと謂える。
追加で前述したが、補助金を貰う宿泊先の怠慢。何故なら、宿泊客に詳しく説明していない為。
最終的な説明を、使われる側の小売りに丸投げしている事が問題。
私が遭遇した、お客様との意思の齟齬
長々と説明したが、つまる処、上記に説明した事項が、そのまま凝縮された事が私の身近な処で発生した。
それは前述した問題点が、そのまま当て嵌まった。
それは来店されたお客様が、先ず初めに「この店ではこの(観光)クーポンが使えるかどうか」を私に尋ねた。
私は咄嗟に、使えますと答えた。
次にお客様の質問は、「どうやって使えばいいのか」。
此れも過去に、何度も尋ねられた言葉。
その時私は、「宿泊先で支給された際、何か説明を受けませんでしたか」と尋ねる。
理由は、お客様がクーポンを何処まで理解されているか、把握する為。
すると大概のお客様は、「何も知らない。何も聞いてない」と答える。
その言葉を聞いた時、お客様が電子クーポンをスマホに取り込んでいない事を悟る。
その為、先ずお客様がご自身でスマホに取り込む為の作業を、一から説明する。
諄いようだが、この説明は決して店側の責任ではない。
そのお客様は私から説明を聞き、カウンター前で暫くスマホと悪戦苦闘していた。
時間的に3,4分はかかったであろうか。
その間、私は他のお客様がいらした為、何度か会計業務を行った。
その後、私から説明を聞いたお客様は、電子クーポンをスマホに入力できたかどうかは定かでないが、スマホをいじった後、私に対し困惑した表情で
「難しいね」と呟いた。
私はその時、どう答えて良いか分からなかったが、そのお客様は急いで電子クーポンを使いたい様子に見えた為、
「まあ、ご自身でスマホに入力しなければ、使えませんので」
と答えた。
するとそのお客様は私の言葉に対し、何か癪に障ったのであろう。
私に対し、このような言葉を投げかけてきた。それは明らかに、敵愾心をむき出しにして。
「君、さっきからご自身と云う言葉を繰り返しているが、しつこいよ」。更に
「普通ならば、難しいと言われたら、そうですね、と答えるのが当たり前だろう」。
私はその言葉を聞き、咄嗟に言葉の意味が理解できなかった。
此方としては先ず本来、宿泊先の責任である電子クーポンの使い方を説明。
有効化の手順を説明した。
其処迄の作業は店側には、全責任と義務はない。
本来なら宿泊先と、旅行者ご自身の問題。
店側にすれば会計の際、お客様に店側のQRコードを読み取って頂き、お客様ご自身で会計処理を実施して頂く。
店側は、お客様がスマホで会計処理を済ませた画面を提示して頂き、目視で確認後、レジ精算を行う。
店側は、お客様に店の二次元コードの提示、目視で精算確認をすればよい。
敢えて言えば、店側は二次元コードの読み取りを案内。お客様の会計後の画面の提示を求めるだけでよい。
私の言いたい事は、責任の所在。
今回のトラブルは、宿泊先と店側の責任が混同している。
お客様も、それを理解していない。此れが前述した、日本人特有の甘え。
自分自身で、色々な事をするという意識に欠けているのではないかと思う。
安くて便利なサービスを求めるのであれば、それなりにご自身で努力しなければならなと云う事にも繋がる。
言葉は悪いが、昔の古く良き時代の日本は既に過去のモノ。
そう意識しなければ、今の国際社会で生き抜く事は困難。
実際そのお客様は、スマホにクーポンを取り込めたかどうかは不明。
しかし、かなり時間を要した事を考えれば、色々試みたが最終的にできず、私の言葉が癪に障ったのかもしれない。
其の後、ご立腹したお客様だったが、何点か買い物をされ再びカウンターにやって来た。
その時、お客様が怒りを込め私に投げかけた言葉は、
「誰がこの店でクーポンを使ってやるものか」 。だった。
この言葉も私にすれば、甚だ理解不能だった。業界でない方はおそらく分からないと思う。
正直に言えば、 観光クーポンはできるだけ使って欲しくない のが本音。
何故なら、観光クーポンの現金化には、手続きが煩雑な為。
現金化には手続きをしてクーポンを取り扱っている団体組織に、クーポンを送付しなければならない。
其の後2,3か月後、漸く会社口座に振り込まれる。
つまり時間と労力のロスが激しい。店側とすれば、あまりメリットはない。
日銭や運転資金を確保する際、店側にはデメリットしかない。
それなら何故、実施するのかと云えば、
観光推進という名目で地元の政府機関から要請され、渋々、了承したというのが理由。
前回の紙クーポン券で横行した例だが、使われた飲食店等は現金化の申請が面倒な為、身銭でクーポンを交換。
交換したクーポンを、地元の大手ドラックストア、コンビニ等で現金化しやすい商品(主に酒、タバコ)の購入時に使用していた。
前回この様な行為が横行した為、今回は予防の為、電子クーポン化されたのかもしれない。
しかし前回・今回のいずれも、使われる店側とすれば、大したメリットはない。
その為、今回トラブルとなったお客様が発した「この店では使わない」といった言葉は、店側とすれば全く問題ない。
お客様とすれば、心の何処かで 「クーポンを使ってやる」 という意識があったのかもしれないが。
話は少し逸れるが、以前何処かのバス会社が「お客様は神様ではありません」というキャッチフレーズを発し、話題となった。
私が言いたいことは、まさにそれ。
「お客様は、神様です」というフレーズは1970年の大坂万博で流行したが、今日では時代と供に全く違った意味で使われるようになった。
今では何かお客さん側が、その言葉を使う風習になっているが、本来の意味は、店側が「お客様は神様です」と使うのもと記憶している。
いつの間にか、逆に使われている。元来、店側が使う言葉だと云う事。
私がトラブルとなったお客様は見た目、やや60過ぎの男性客。
お客様の世代を考えるに、大阪万博の生まれる直前か、生まれて間もない時代と想像した。
戦後日本が復興を遂げ、東京五輪。大阪万博、高度経済成長、そしてバブル経済を経験した世代。
想像するに、本当に古き良き時代を過ごされ、晩年を迎えた年代と思われる。
その頃は、日本が一番輝いていた時代。
しかし、今は違う。バブル経済崩壊後、約30年以上、年収が上がっていない国。
おそらくその世代は、その頃のイメージがまだ沸々と頭の中にあるのではないかと推測する。
何か今回の出来事を考えた時、そのような考えが頭に浮かんだ。
更に追求すれば、お客様の価値観の押し付けもあるかと思う。
その理由は、お客様が発した此の言葉。敢えて繰り返し表記するが、
「普通ならば、難しいと言われたら、そうですね、と答えるのが当たり前だろう」。
下線を引かせてもらったのにも理由がある。
何故なら、下線部の言葉は、明らかに自分の価値観を、店側(他人)に押し付けている為。
そもそも、お客様の立場と店側の立場は違う。
本当に諄いようだが、電子クーポンを自分のスマホに組み込むのは、お客様側の作業。
難しいかどうかは、店側には分からない。
実際、使われる側は電子クーポンをスマホに取り込む際、どんな画面でどんな作業をしているのか分からない。
何故なら、店側は旅行者でない為、自分でする事がない。どんな画面を開いているかも分からない。
例を挙げれば、タバコを吸わない人が、タバコの味を聞かれても答えようがないと同じ。
店側は使う側でない。その為、判断基準が分からない。
此方は難しいか容易いのか、判断できません。ですから安易に「そうですね」としか答えようがありません。
下手に「そうですね」と答えようものなら、次にお客様が発する言葉は、
「そう思うなら君、やってくれないか」。と云われるのがオチ。
実際、過去に何度もあった。
その為、答えようのない質問をされた時、私は決して曖昧に答えないようにしている。
何故なら曖昧に答えた場合、相手はそれを次々と自らに都合の様に解釈。
事態が、思ってみない方向に展開するおそれがある為。
此れは何度も海外に出かけ、身につけた防衛策の一つ。
日本人の良い特性と意識されている感覚も、海外では決して良く思われない。
寧ろ付け込まれる可能性もあるという事。
今回のお客様とのトラブルも、明らかに相互の意識、認識の違いから生じたもの。
自分の価値感が、決して他人と同じではないと言う事。
理由は他人は今迄、本人とは全く違う人生を歩んできた為。
人間、一人一人顔が違えば、価値観も違う。
その違いを明確にしなければ、今後益々同じトラブルが増えると思う。
他人は決して自分と同じ感覚ではないと言う事を意識してこそ、初めてお互いの相互理解ができるのではないだろうか。
今回のトラブルを踏まえ、ふとこのような考えが頭に浮かんだ。
(文中敬称略)