何気に気になる話題「平等院鳳凰堂」の商業利用の禁止について
先日ネットニュースにて、「宇治平等院鳳凰堂」側が、商業利用禁止との報道がありました。
その件に関し述べたいと思います。
目次
平等院鳳凰堂とは
今更と思われるかもしれませんが、ご存知のように奈良にある国宝神社。
平安時代権勢を誇った「藤原道長」の子、「頼通」が建立した寺院です。
昔の修学旅行でしたら、定番が「京都・奈良」。
社会人で奈良を訪れた際は「春日大社」、「大仏」と同様、必ず訪れる場所と思われます。
身近なもので思い出すとすれば、10円玉の裏に書かれたデザインと云えばお分かり頂けるでしょうか。
今回の報道は平等院側が東京のジグソー・パズルメーカーに対し、「営利目的の利用」を禁止。
「販売差し止めを求めた」と言う内容でした。
平等院側が、絵柄でライトアップされたものを無断撮影したものであると主張。
つまり拝観者は無断で営業利用してはならず、その上、無許可撮影での使用だったというもの。
成程、云われてみれば殆ど平等院側の主張が正しいと言えるでしょう。
そう主張されれば、撮影・使用側に弁解の余地はないと思われます。
しかし今回の行為、何気に私達個人も無意識にやっていないだろうかと疑問が湧きました。
私は写真撮影が好きで、風景・動物・植物等の写真を暫し撮影します。
昨今スマホ等の普及により、お手軽に写真を撮られる方も多いと思います。
その写真・映像をブログ・You Tube・インスタグラム等のSNSに投稿する方もいるでしょう。
ですが今回の報道を考慮すれば、その利用も規約・法的にグレー・ゾーンなのかもしれません。
それはやはり、「著作権」の問題に絡んでくるからでしょう。
今回も大きな意味で、著作権の問題と言えるかもしれません。
私自身も難しく、ややこしい問題である為、使用する際は逐一調べるようにしています。
一応のラインとして、観光地でしたら風景扱いで対象外になる可能性が高いと云う事。
しかしその中に人物が入っていた場合、その人物の肖像権もあり、本人が使用不可と主張すれば、使用不可になります。
更にネット上などの画像フリー・動画フリーでも、商業利用不可もあります。
今回の場合、此方に該当するのではないかと思います。
ですから個人撮影、ネット上に掲載されているものも、何気にアウトになる可能性が高いと思われます。
個人運営での商標アニメ画像・歌・芸能人の写真・曲などは無許可であれば、当然違法と言えます。
芸能人のプライベート中は、完全に不可でしょう。
昔よりだいぶ厳しくなりましたが、日本はまだ甘い方です。
外国、とくに訴訟大国のアメリカでしたら、一発アウトで莫大な賠償金を請求される可能性もあります。
You Tube、Twitter、FB等、まさにアメリカ発祥のツール。注意が必要かもしれません。
何処で線引き?
何気に普段、個人で無意識に使用、結果として商業利用している事がないでしょうか。
悪気はないのでしょうが、知らないうちに利益を得ている行為など。
例えばブログ・You Tubeで画像・動画をUPした時など。
ブログ内でアドセンス・You Tubeで収益化している場合、商業利用に繋がらないかという問題になります。
本音を言えば、微妙だと思います。
今回の平等院側のケースを当て嵌めれば、不可と言えるでしょう。
「公認済み」でしたらOKでしょうが。
しかし個人で許可を取った方が、果たして何人いるでしょうか。
殆どいないと思います。
仮令いま許可が下りていても、将来的に不可になる可能性もあります。
中には広告料を貰わず掲載している方がいらっしゃるかもしれませんが、おそらく少数派と思われます。
その方たちの中にも、他の人物が画像・動画に映っていた場合、全員に許可をとっているかと問えば、おそらく「ノー」と思われます。
結局、どこで線引きをするかの問題と思われます。
実際、全国の寺院・神社・仏閣が好きな方で、ブログ、You TubeなどにUPしている方がいらっしゃいます。
その方の中で、広告を貼っている方も見受けられます。
しかしあまりに厳密になれば、少し酷かとも思いますが。
なかなか良いコンテンツですが、中身が薄れる可能性があるかもしれません。
折角既存メディア以外で育ちつつある各プラットフォームも、厳しくなれば発展を妨げる可能性もあります。
あまり規制が厳しくなれば、今日の既存メディアの様に、また一部の人間に独占され特権化してしまうおそれもあるでしょう。
そうなれば今日のTV界の様に、当たり障りのないものばかりになり、個人が情報を発信する手段から、一歩後退する可能性もあります。
これを考えれば、今はまだ手探り状態なのかもしれません。
今回の報道で将来の行方は
今回は最新の報道に関係し、思いつくまま述べましたが、今後規制・規約が厳しくなれば、おそらく何気に人気、関心が高いと思われる「旅、グルメ」等のブログ・You Tubeも対象となるかもしれません。
許可済みもあるでしょうが、大概は無許可撮影・無許可掲載が多いと思われます。
個人の方が旅をされ、旅先で観光地・料理などの画像・動画をUPされていますが、厳しくなれば、どちらも不可になる可能性があります。
今は良くても規制・規約が変更すれば、将来的に違反・削除対象になる可能性もあります。
そうなれば一つ一つの過去の画像・動画の見直し、検証、削除しなければなりません。
その作業も又膨大な時間・労力がかかる事になります。
しばしお店の料理、メニュー等の画像・動画がUPされていますが、許可がなければ、全て不可と云う事になります。
同様に、店内の写真・動画等も不可の可能性が高いでしょう。
町撮り動画等もよく見かけますが、たまたま動画に入った画像・音楽も著作権の関係で、厳密に言えば不可になります。
ディズニー関係は特に厳しい。
キャラクターデザイン・ソング等は商標として厳しくて有名です。ご注意下さい。
日本の人気アニメ「ドラえもん」「アンパンマン」「ドラゴンボール」等は、特に厳しいと云われます。
私も個人的に「旅・食」は好きなジャンルなので、しばし他の方のブログ・動画等を見ます。
なかなか面白いコンテンツだと思います。
大概は個人運営されていますので、なかには普段大手メディアが目に付かない細かい箇所が発見できる場合もあります。
個人で企業の商品を紹介している方もいますが、厳密になれば不可になるでしょう。
何故なら殆どが著作権の許諾なく、勝手に掲載している為。
トップ・ブロガー、You Tuberでしたら対象外かもしれませんが。
逆に企業としては、宣伝効果となりますので。
今後の注意点
何れにせよ、今後ブログ、You Tube、SNS等を運営する上で、目を離せない問題だと思います。
知らずに、うっかり掲載。
削除のみで済めば良いが、相手側に訴えられ、莫大な賠償金を請求される可能性がないとも限りません。
又掲載された写真・動画中で、個人の肖像権を害するものが含まれている場合も同様です。
問題にならない為にも、私を含め他の方も、極力注意しなければならないと思います。
大型連休で、お出かけになる方も多いと思います。
旅行中、旅行後、写真・動画などUPされる方が多いと思いますが、私も含め、くれぐれも気をつけていかなればと思います。
今回の問題は、今後も注意が必要かもしれません。
(一部敬称略)