久し振りに本屋に立ち寄り、気付いた事

連休中、本屋にて

大型連休中、予定がない休日、久し振りに本屋に立ち寄った。

久ぶりにと書いたのは、何時からかは記憶がない。

此処しばらく、本屋にいかなくなったのは。

 

おそらく半年はいっていないだろうか。それ程、久し振りに感じられた。

何故だろうか。昔ほど行かなくなったのは。

結論から述べるが、やはりネットの登場、普及が理由ではなかろうか。

 

漠然に述べるが、ネットが私達の家庭に定着したのは2000年前後。

当時を思い出せば、「IT革命」、「ITバブル」と言われるものが叫ばれていた。

丁度その頃、一般家庭にネットが普及し始めた。

 

2005年頃には、全世帯の半数以上の家庭でネット利用者がいたのではないかと思う。

2014年総務省調査
2014年総務省調査では、普及率 約82.8%

 

私は2002年、自宅にネット環境を整備。以後、利用している。

既に17年以上経過している。おそらくこの頃からではないかと思う。

この時期を境に、本屋にいく回数が減った。

 

考えれば、当然かもしれない。

私を含め皆さんが本屋に行く時とは、一体、どの様な時であるかを考えれば。

 

大概は調べ物、新しい知識を得る為、好奇心、雑誌、週刊誌、漫画などの新作が発売された時ではなかろうか。

つまりネットの普及により、一般家庭で瞬時に欲しい情報が手に入る時代になった。

今流行りの電子書籍等を思い浮かべてみれば、納得がいくと思う。

 

官報、法律、地図等の調べものは、以前では図書館に行かなければならなかった。

しかし現在ではネットを駆使すれば、効率的に自宅で瞬時に調べる事が可能。(官公庁HP、Google、ヤフー等)

 


ネット検索の利便性

私は以前、旅行業界に携わっていた時期があった。

旅行関係の調べ物は、たいがい時刻表等で事足りた。

時刻表の見方にもコツがあり、見慣れていなければ、なかなか扱い難い代物。

今では、ボタン、クリック一つで瞬時に調べる事が出来る。

 

私が業界を辞める寸前、このシステムが登場した。

私は当時、今後は時刻表を持ち歩かなくても良い時代になると直感した。

仕事がし易くなったと同時、旅行業界の人間でなくとも、手軽に旅行に関する調べものが出来る時代となった。

 

更に言えば、利便性が拡大。

他社との料金比較が容易になり、より自分の好みで予算に合った商品を選び易くなった。

 

本屋と同様、旅行会社も以前に比べ、かなり役目が減った。少なくとも対面販売の分野では。

昔は対面販売の際、配置される職員の勘・経験がモノを言った時代だった。

 

今後対面型ビジネスは、厳しいかもしれない(対面型証券会社なども。現在ではネット証券が主流)。

この現象は何も本屋・旅行業界に限らず、他の産業にも言える。

ネットの出現で、あらゆる分野に影響を及ぼしたのは間違いない(音楽業界、銀行業、小売業、特に家電など)。

 

話を戻すが、本屋は少子化、人口減少等の影響もあり、今後ますます厳しいと予測される。

近年出版不況が囁かれ、出版会社・取次店が相次いで潰れているのも、決して無関係とは言えない。

私が在住する地方都市も、気付けば本屋の数が、年々減っているのが分かる。

大都会ならまだ存続可能だろうが、人口減少化が進む地方の場合、かなり経営が厳しくなる。

無くなりはしないが、今後売上の拡大は難しい。

 


昔は存在したが、いつの間にかなくなったもの

本屋と同じで子供の頃、近所によくあったが、いつの間にかなりつつあるもの。

それは個人経営の薬局、写真現像屋、そして本屋かもしれない。

技術革新・産業構造の変化も影響している(ドラックストア、デジカメなど)。

 

嘗ての駄菓子屋も、コンビニの出現で淘汰されたと言える。全く同じ構造。

しかしコンビニ業界ですら、曲がり角に来ていると云われている。

 

ネット普及と同時期、中古本屋・リサイクル(ブックオフ、ツタヤ、ゲオ等)が登場したのも事実。

一時期出版業界から、やり玉に挙げられていたが、決して中古本屋だけの影響でない。

出版業界があまりにも意味のない本を、乱発していた所為もあるかもしれない。

 

偶々、昔購入した本を見返した際、何故その本を購入したのか意味が分からず、処分した本もかなりあった。

過去に僅かな期間だが、出版業に携わった時期があり、多少の事情は理解できる。

 

後はスマホの出現だろうか。

嘗て子供の娯楽だった漫画・ゲームなどが、スマホにとって代わられた。

今ではスマホで手軽にゲームが楽しめる。

 

子供の小遣いの使い道がネット通信費、課金に移行したと言える。

嘗て出版社、書店の稼ぎ頭であった週刊誌漫画・コミック等の落ち込みが激しいのも頷ける。

このような処にも、影響が出ている。

上記の事を考えれば、今後本屋の存続は益々、難しくなる。

益々減ると予測する。

 

昔は本屋に立ち寄り、贔屓作家の新作が出ていた時、何も考えず無条件に購入した。

今では贔屓作家の新刊発売日を確認し、発売直後に購入しに行くだけ。

ネットであれば、オンラインで購入、自宅配達も可能。

 

以前は本屋に立ち寄りた際、様々な本を眺め、たまたま目に留まった本を衝動買いしたが、今ではめっきり減った。

前述の中古本屋も、時間があれば立ち寄り、掘り出し物あがあれば購入した。

しあし、今では殆ど行く機会が減った。

歳をとり億劫になった事、時間の大切さを知り、徒に行かなくなったのも理由の一つ。

 


嘗ての大衆娯楽の現状

ブログを書く中に気づいたが、他にも昔は行っていたが、今は行かなくなったものが多々ある。

思い出したものを挙げれば演劇、芝居、映画等。

 

昔は大衆娯楽の代表だったが、先ずTVの出現で徐々に観客が減った。

更にビデオの出現で、映画産業は益々縮小に拍車がかった。

 

今ではTVはネットの出現で、押されつつある状態。進歩する過程で共通する特徴は、

「手軽に、どこでも、何時でも見れる(調べられる)」

なのかもしれない。

「時間・労力・金」の短縮と云っても過言でない。

 

ネットがそれを可能にしたと云える。

技術が発達するにつれ出版業界は益々縮小し、今後本屋は原本の保管庫(アーカイブ)的存在となるかもしれない。

 

将来的に作家が物を書き、読者に直接販売する形式が主流になるかもしれない。

現に今でもそうなりつつある。(メルマガ、ネット小説等)

ブログ、ツイッター、HP等もその一例。

そうなれば本屋は縮小こそすれ、今後拡大するのは難しい。

 

そして物書きは、何時・何処・誰でも直に(ネットに)参入が可能。

過去の出版システムの如く、先ず出版社に認められ、それからメジャーデビューすると言う過程がなくなる可能性もある。

 

何れにせよネットの出現で、今迄のビジネスモデルが崩れ始め、既存システムに依存していた産業は、淘汰される時代がくるだろう。

 

(文中敬称略)