一体、政府は何時まで失策のツケを、国民に押し付けるのか『国民年金』の改悪

・久しぶりにブログを書いてみようと思った。

きっかけは、現岸田政権に於いて、度々浮上する「国民年金」の見直しが動機。

以前も書いたが年金の場合、見直しと云う名の「改悪」。此れが何時もキーワードと云っても過言でない。

今回はブログ立ち上げの頃、暫し俎上に挙げた年金ついて述べたい。

 

年金はいつも改悪

冒頭でも申し上げたが、ニュース等で年金問題が取り上げられた際、私は何時も心が沈む。

何故なら、その話題はいつも良い話でなく、悪い話の為。

ニュースのタイトルを見た瞬間、凡そ検討がつく。それだけ年金に関しては、良い話がない。寧ろ、益々悪くなる話ばかり。

 

検証は前述した通り、ブログ立ち上げの初期、年金について散々、意見や問題点を指摘した。

今更、くどくど語るつもりはないが、話を進める為、要点だけ述べたい。

 

年金を一番支えている世代は、ほぼ団塊二世

年金を支えている多くの世代は、厚生労働省のHPを参考にすれば、大雑把であるが「団塊二世」と呼ばれる世代。

具体的に言えば、凡そ50才~55才あたりであろうか。当に私がこの世代。

 

この同世代の人であれば分かると思いますが、義務教育を終え高校、そして大学進学に苦労した世代です。

当時の大学進学率は、約25%だったと記憶しています。因みに現在は約50%。

つまり私の時代は「4人に1人」しか、進学でなかった計算になります。

 

そして大学を終える頃、丁度、第一次就職氷河期にぶつかりました。

全く、ついていない世代。損した世代を云えるでしょう。

この時期、正社員になれなかった人は、非正社員として働かざるを得なくなり、今日に至る。

現在日本が抱える多くの社会問題が、この世代が起因していると言ってよいでしょう。

 

少子化問題も然り。そして今回の年金問題。少子化がそのまま、年金問題に繋がる。

此れはとても簡単な話。年金はほぼ、団塊世代をベースとしたもの。

団塊世代はどの家庭も大概、子供が二人だった。その子供がそのまま成人となり、家庭を持ち、子供二人を持つという設定。

 

処が前述した通り、就職に躓いた人間はそのまま低所得と不安定な雇用形態で生き、家庭が持てず、今では壮年から初老と云われる域に差し掛かった。

同世代多いとは、裏を返せば 「現在の年金制度はこの世代が最も支えている」 と云う事。

つまり年金を支払っている世代で一番多いのが、団塊二世。

 

最も損をし、此れからも損し続ける世代

団塊二世でもう一つ話をしておかなければならないのは、団塊二世が年金支給資格を得た45才頃、年金支給資格が10年に短縮されたという事。

何の事か分からない人もいるかもしれない。

端的に言えば、人が多い団塊世代が25年間年金を納めた後、取りっぱくれがなくなった政府は、後の世代の年金支給資格を10年にしたと言う事。

もっと言葉汚く表現すれば、

 

「人が多くいる団塊二世の皆さん、25年間、御疲れ様でした。政府としては漸く取っぱくれがなくなり、ほっとしています。皆さんには申し訳ありませんが、後の世代の人に年金加入をし易くする為、支給資格を10年短くします。」

 

と宣言したに等しい。実は此処迄は、過去に既に述べた事実の繰り返し。

 

改に浮上した年金支給の延長と、支払義務の延長

タイトル通り説明するまでもないが、現政府は年金支給の70才延長(現在は、65才で支給)、更には60才まで年金支払いの65才迄の延長を検討しているとの事。

何をか況やである。

つまり年金が足らない為、支給の先送りと支払い期間の延長。此れは過去何度も指摘した。

私の心境とすれば、「やはり」と云った処だろうか。そうなる事は予測できた。

 

理由は、今迄述べてきた通り。

現在、一番年金を納めてきた世代がそろそろ現役を終え、初老と呼ばれる年代に差し掛かった。

繰り返すが、この世代が約50~55才を迎え、会社であれば役職定年、嘱託、関連会社に出向でお払い箱にされる時期。

哀しいが、世代交代を迎える時。会社としても人生としても、先が見えた頃。

 

そんな現役世代が引退を控え、約10年後に60才で年金の支払いを終えようとする頃、政府は今迄この世代を食いものにしてきたにも掛からわらず、尚も鞭打つが如く、「65才まで年金を納めろ」告げてきた。

 

これは明らかに、団塊二世が一斉に定年を迎える頃、年金資金が足りない事実を物語っている。

そうでなければ、この世代から延長を課す訳がない。年金が潤沢であれば、この世代に対し普通は、

 「よく年金を支えてくれました。此れからは心置きなく余生をお過ごし下さい」 

と言うだろう。

 

処が現実は、全く逆。

今迄年金の多くの搾り取った世代に、更に支払いを命じ、延長を検討するなど、正気の沙汰と思えない。

諸外国であれば、暴動が起きても可笑しくない。それほど、ふざけた話。

 

・年金支給資格を25年迄課し、それを過ぎれば後の世代は10年に短縮。

・60才で支払いを終えると思いきや、今度は65才まで延長。

・65才で支給されると思えば、70才まで延長。

 

こんな人を舐めた制度があるだろうか。全く「生まれた時代が悪かった」としか、言いようがない。

70才に延長された時点で、果たして70才まで確実に生きられる人がいるだろうか。

政府は問題の先延ばしに過ぎない。現65才から70才に延長され、その5年の間で亡くなる人もいる。

政府の狙いが透けて見える。「一人でも支給者を減らしたい」。この一言に尽きる。

 

又60才で定年を迎えても、支給まで10年近くある。人間、10年近く働かず生きていける人は果たして、何人いるだろうか?

喩え再就職しても、収入の減少は確実。更に体力も低下している。60才以降再就職して、何の仕事があるだろうか?

 

凡そ、力仕事はムリだろう。その頃には、何かしら体に持病を抱えている。

私自身、50才を過ぎ、初めて腰痛で立てないという経験をした。今迄何度か腰痛を経験をしたが、立てないのは初めてだった。

 

原因は「ぎっくり腰」。

話は聞いていたが、あれだけ激痛を伴い、立てなくなるのは初めてだった。

1,2日目は、想像を絶する痛さだった。それ以後、常に気をつけるようにしている。

 

此れは私でなくも、思い当たる人がいると思う。腰でなくても、目、膝、肩などに持病を抱えている。

そんなシニアと呼ばれる世代になった頃、何の仕事ができるか想像もできない。力仕事にも限界がある。

雇う側としても、そんな人材を欲しいと思うだろうか。私が雇用側ならば、遠慮して頂くしかない。

労働者不足が叫ばれている職場も、決してそのような人材を雇いたいと思わない。

 

此れが今日の雇用のミスマッチにも繋がる。若い人ほど、そのような職場を敬遠する。

何時も述べるが、資本主義は「ヒト・モノ・カネ」は需給で決まる。人と職場も同じ。

幾らシニア世代の働く意思を持った人間を増やしても(供給)、現場がそのような人材を求ていなければ(需要)、雇用はない。

 

何時も指摘するが、年金は全て過去の政治家・官僚の責任

毎度同じ事を述べるが、年金制度の歪は過去の政治家・官僚とくに厚生労働省の失政・失策が原因。

つまり、年金に対して 「見通しが甘かった」 と言う事。

 

過去何度も年金制度の改正が行われてきた。それは繰り返すが、改正と云う名の「改悪」。

常に改悪と云う言葉を使う訳は、改正され良かった点が一つもない為。

改正され、益々以前より悪化したという表現が的確かもしれない。年金に関しては、改悪と断言できる。

年金が何度も見直される理由は、 「年金が足りない為」 。此れに尽きる。

 

会社に喩えるなれば、運転資金が立ち行かなくなり、倒産と云う事。

しかし大元が政府の為、倒産という言葉を遣っていないだけ。そうでなければ、何度も見直しは必要ない。

潤沢な資金があれば、問題は生じない。

 

いい加減に政府も正直に年金の現状を国民に発表し、国民の審議を仰げばよいのではないか?

国民は薄々、気づいている。もう年金制度は破綻しているという現実に。私は払い損で終わると予測する。

理由は今迄述べてきた通り。

 

譬え今回話題の70才支給に延長、65才まで支払いとしても、いざその時期を迎えた頃、又同じ問題が湧き起こる。

そして結果は、「再び先送りか支給額の減少」を予測している。

つまり人参をぶら下げられたまま、何時まで経っても貰えないと言う事。

 

以前も提案したが、政府は年金のデフォルト(債務不履行)を発表。

今迄払ってきた額を国民に返納し、新たに作り直し、入りたい人がいれば加入を認めると言う制度に作り直せばよいのではないか。

もう国民は年金に期待していない。金を溝に捨ていると思っている。若い人であれば、猶更。

前述するが、団塊二世が親の世代の如く、子供を二人持てば、年金制度は何とか保てた。

 

しかし今日に少子化を鑑みるに、団塊二世が支給を迎える頃、社会を支える世代は、半分に減っている。

単純計算して、今迄の倍の年金を払わなくてはならない。

バブル経済が弾け(1990年頃)、日本は年収が約33年近く、上がっていない。

今では年収はカナダ、オーストラリアの半分。

此れは紛れもない事実。つまり経済発展が止まっているという事。

 

今の若い世代が倍の年金を支払えるとは、決して思えない。この事実を考えても、年金はもう立ち行かないだろう。

あと方法があるとすれば、ベーシックインカムしかないのかもしれない。

 

何れにせよ現在の日本では、既に年金制度は過去の遺物と化している。

早急な見直しと云う名の、解体が必要かもしれない。しかし確実に言えるのは、「現政権では不可能」と云う事。

喩え他の政権が誕生しても年金改革は不可能だろう。以前の民主党政権時も、不可能だった。

 

皆が既に破綻している制度だが、破綻していると言えない現状。何故言えないのか。

それは今迄の失政・失策を現政治家・官僚が責任を取るのを拒む為。その事により、年金問題はズルズルと先延ばしされ、次世代に先送りされた。

当に責任のなすりつけ合い。先代の失策を、次世代に押し付けた。

 

この状態が果たして、いつまで続くのか。こんな事は何時までも続かない。

問題が勃発するのは、何度も述べているが、団塊二世がいよいよ年金支給される時であろう。

その頃政府がとる行動は。私が予測するに、

 

「皆様お疲れ様でした。いよいよ年金が支給しれる時がやってきました。しかし政府には既に資金がありません。申し訳ありませんが、皆様に支払う事ができません。悪しからず」

 

このように告げられると確信している。

つまり年金は、払い損で終わるだろう。そんな事が分かって居ながら、毎月年金を納めるのが何か虚しい。

全く、此れが私の偽ざる心境。果たして報われる事があるのだろうか?残念ながら、その期待も薄い。

 

本当に生まれた時代が悪かったと思う。

此れが「損した世代」「此れからも損をし続ける世代」「決して報われない世代」と云われる所以。

自らの将来を見つめた時、限りなく暗い気持ちに襲われた。

 

(文中敬称略)