やはり出てきた「在職老齢基礎年金」廃止検討の報道
「在職老齢基礎年金」廃止検討の報道
先日、地方選挙の無投票選の増加は議員立候補者が減り、その主な原因の一つに「地方議員年金廃止」が大きく影響していると書いた。
その時ブログ内で、どの年金制度も世代で不公平感があり、決して満足している人間は殆どいないと主張した。
2日後、早速その事実を裏付ける記事が配信された。それは「在職老齢基礎年金」廃止検討との報道。
在職老齢基礎年金はもともと、60歳を超え働いている人が厚生年金が支給されず、年齢的にも賃金が目減りする為、年金の一部を支給し、生活支援をする制度。
基本的に65歳は年金生活者の為、減額基準が高め。
こう書いても未だ理解できないと思う。私も書いていて何てややこしい、敢えて意味不明な言葉を遣うのだろうかと。
行政などの役人が使う文面は態と複雑でややこしく、下手をすれば、どちらでも取れるような文面を遣うのが好きなのが特徴。煙に巻くとでも言うのだろうか。
中には廃止だから良いのではと思う方もいると思われる。それは全く逆。廃止になって損をするのは、60歳以上働いて、あまり多く貰ってない方。
何故そんな回りくどい言い方をするのかと云えば、物事の本質をオブラートで包み、わざと分かりにくくしたい為。
真実を明確にしたくないのが目的。これと似た手法が、裁判記録。所詮、役人の考える事は皆同じという事かもしれない。
私なりに言えば、今迄60~64歳で月28円以上の所得者、65歳以上で48万円以上の所得者は年金を減額されていた。
今回、これがなくなると言う事。
つまり、上記の基準を満たしていた人は減額されなくなるという事。60歳以上働いている高所得の方は、今後減額されませんという事。
60歳以上で働いている人の多くは、雇われ人間だと思う。
雇われる側の人間で60~64歳で月28万円、65歳以上で48万円以上貰っている人は少ない。
もしいるとすれば会社役員、同族経営会社の社員ではなかろうか。
その様な層が今迄、減額の対象だった。廃止になればこのような高所得者が逆に恩恵を被ると云う事。
何故なら、各年金は60歳を目途に支給される筈だったが、今では65歳に引き上げられ、おまけに減額迄されている。
更に政府は67歳~70歳の引き伸ばしを検討中。これは結局、問題の先送りであり、お金がないから支給できませんと云っている様なもの。
現在受給者であればまだましだが、今後益々支給額が拡大する為、後の世代になれば、到底支給不可能という事。
とくに世代的に団塊二世あたりが一番多く、現在この世代が今の年金制度を支えている世代。
この世代が退職、支給年齢に到達する頃に破綻となるのは、火を見るよりも明らか。子供でも分かる論理。
それを分かって乍ら現指導者連中は、その頃には既にこの世にいない為、見て見ぬふりをし、ただ押し黙っているのである。
これが先程から繰り返し述べているように、各年金制度は結局、「不公平感が強く、どの世代の人間も満足していない制度」
と云っている事の証。
説明するまでもないが、共済は公務員が加入していた年金。厚生年金は民間企業が加入する年金制度。
名目は年金運営の拡大と安定との事だが、これも詭弁に過ぎない。
つまり自分達は65歳まで働き、在職老齢基礎年金の減額を免れようと目論んでいるようにしか見えない。
この制度で、高所得者の減額により約1兆1000億円、削減されていた。これが削減されなくなるという事。
その増える財源を一体、何処から持ってくるのだろうか。廃止により到底、勤労意欲が向上するとも思えない。
更に年々一般の社会保障費が約2兆円以上増加している。これを考えれば、年金制度は既に破綻していると言って過言でない。
その事を誰も怖くて、言い出せないだけ。
今後いつか破綻する時が来るであろう。その時が果たして何時になるのか。
それはそう遠くない将来なのは、間違いない。それが現実となった時、国民は改めて絶望とあらたな負担を強いられるだろう。
最後に、この議論には賛否両論が存在する。
あくまで客観的事実を述べるが、当然の如く政府をはじめ、政府関連機関、外郭団体、政府御用達機関、学者、研究者は廃止賛成派。
政府は表立って主張できない為、例の如く御用機関、学者、研究者、専門家などを使い喧伝、啓発を行っている様に思われる。
私はあくまで客観的事実を述べているだけなので悪しからず。どちらの意見に与するも訳ではない。
ご判断は、ご自身の自己責任にて。