2025年、次第に明るみとなる、既存メディアの代表格、TV業界の課題

ブログを始めた6年前、既存メディアに関する記事を書いた事がありました。
ブログの内容は主に、既存メディアの代表であるTVと、ネットを比較したもの。
話の主旨は、今後TVは無くなりはしないが、徐々に衰退し、ネットが主流になるといったものでした。
それから約6年の月日が流れました。
6年後の結果はやはり、私が指摘した内容と、あまり大差はないと思われます。
敢えて再びブログで言及しようと思ったきっかけは、
去年11月、某大物お笑いタレントが告訴していた案件を取り下げた事。
更には去年12月の暮、元人気アイドルグループの一員だった、芸能人のスキャンダルが発覚した為。
6年の歳月が経ち、漸くTV業界で問題とされていた事象が、明るみになりました。
今回はその事を含め、業界全体の話をしたいと思います。
目次
もはや斜陽産業と化しつつある、TV業界
6年前に指摘したが、TV業界は無くなりはしないが、次第に縮小する産業。
最早、斜陽産業と述べた。要因は、ネットの台頭。
思い起こせば2011年、地デジ化を境にネットが既存メディアに変る新たな媒体として、地位を確立した。
2011年の時点で、今日のメディア状況を明確に予測できた人は、少なかったと思う。
しかし確実に現在は、ネットが既存メディアを凌駕した。
特に顕著だったのは、You Tubeの出現で、既存メディアの王様だったTV業界が大打撃を受けた。
TVの収入源は、主に広告収入。番組スポンサー(クライアント)の広告費がメイン。
その広告の出稿が年々、減少している。理由は、TV以外の媒体に企業が広告を出し始めた為。
他の広告とは前述したYou Tubeを始めとする、SNS広告に力を入れ始めた為。
当然、企業の広告予算には限りがある。
企業とすれば、如何に広告の効果を考えた際、ネット広告が既存メディアより効果があると判断した。
TVは無くなりはしないが、徐々に先細るであろうと指摘した理由。
将来的に売上げ減になれば当然、リストラ等の対策が必要となる。
それは前回のブログで述べた為、今回は大まかな説明だけにします。
此れは何も、TVのみに限った事ではない。出版業界も同じ。今では出版社も青色吐息。
一部のコンビニでは、雑誌等を扱わない店も増えてきた。それだけ出版業界も変化が求められている。
私事だが、私は嘗て両方に係わってました。その為ある程度、業界の事は知っているつもりです。
その業界の真ん中にいたのではなく、少し外側にいたと言えば的確かもしれませんが。
何れにせよ、両業界はネット出現で、かなりダメージを喰らったと云えるでしょう。
以前から指摘されていた特定プロダクションとの繋がり
以前ブログにて、TV業界での特定プロダクションとの繋がりを指摘しました。
約2年前でしょうか。指摘した某プロダクションに、或る問題が発覚しました。
敢えて某プロダクションとだけ記しますが、凡そ検討がつくかと思います。
問題となったのは、カリスマ経営者が、以前から自分の所属するタレントと関係があった事。
ブログ上、あまり過激な事は書けませんので察して頂きたいのですが、当時は大問題となりました。
問題が表沙汰になったのは、本人の死去後。
死去後、徐々に影響力が薄れ、遂に隠されていた問題が公にされたと云う処でしょうか。
揉み消す事ができなくなった、とも云えるでしょう。
実はこの問題は業界中では長い間、暗黙の了解、タブーとされていました。
何故、タブー扱いとされて来たのか。
それはやはり、その人物が芸能界で影響力を持っていた為。
従って、もしカリスマの気分を損ねた時、所属のタレントの出演をボイコットされる事態を避ける為。
その人物の気分を損ね、「お前の処に事務所のタレントは出さない」と云われた時、番組制作ができない恐れがあった。
騒動は社会問題となり、問題を重視した事務所は社名を変更。責任を取り経営陣の一部を、入れ替えました。
事務所は会社のイメージを刷新。新たな気持ちで再出発というのが狙い。
だが実際は、世間の批判をほんの少し躱すのが目的で、僅かにテコ入れしたのみで終了した。
私もあまり変わっていない、との印象を受けた。
しかしカリスマの死去直前には、社内の影響力が低下していたのか。
或る国民的アイドルだったグループが解散。
解散したグループの何名かは、カリスマの死去前にプロダクションを脱退、独立した。
カリスマの死去後は、益々その流れが加速。他の所属タレントの脱退が相次いだ。
これを機会に独立、結婚したタレントもいた。
カリスマ死去でタガが外れたというか、頸木がとれたとでもいうのか。
去年12月、暮も差し迫った或る日、元有名人気アイドルグループの1人が、スキャンダルに塗れた。
スキャンダルの内容は2年前、某TV局の女性アナウンサーと会食。
其の後、2人は関係を持ったというもの。報道では、女性アナウンサー本人は不本意な関係だったとの事。
実は今回の元アイドルタレントというのが、前述した元国民的アイドルグループの1人だった人物。
出来事は2023年6月頃だが、この人物は某事務所の問題が発覚した時、既に退社、独立していた。
しかし元所属事務所が揺れていた時の出来事で、迂闊と云えば、迂闊。イメージダウンは避けられない。
辞めても元事務所では以前から常態化していた為(カリスマの不祥事)、本人も全く知らなかったとは言えないだろう。
当時大騒ぎしていた時期で、あまりも軽率だったと言わざるを得ない。
時期が重なっていた為、益々印象を悪くした。
更に印象を悪くしたのは、年明け後、男性タレントが弁護士を通じ声明を発表した、或る一部の文章。
その声明の一部に、下記の文面があった。
若干、ニュアンスが違うかもしれないが、この様な文章だった。因みに示談金は、約9000万円との事。
この文章を見て、何か不思議な感覚に捉われたのは、私だけだろうか?
敢えてこの箇所を載せる必要があったのか? 私は、甚だ疑問を呈する。
他の方は、どう思われたかは知りませんが。
男性タレントが声明を発表する前、問題となった某TV局は早々に幕引きを図る為、
週刊誌の報道が出て直ぐ、 「会社側は、一切関知しておりません」 との声明を発表した。
つまり会社ぐるみの関係ではなく、タレントと女子アナとは個人的な問題として、会社関与を否定した。
今問題になっているのは、
会社の関与があったのか、なかったのか 。
もし会社が関与を認めた場合、その習慣は以前から常態化していたと云う事。
つまり会社の接待の一種だったと云う事。何故、会社側がそんな事をするのか。
やはりタレントに便宜を図り、自局に対し有利に働いてもらうのが目的。
事務所が、タレント個人に変っただけと思えば分かり易い。
此れは他の民間企業でも、ありがち。私も似た経験がある為、否定はしない。
尤も私は、接待する側だったが。早々に会社側が関与を否定し為、疑惑が広まった。
その為1月17日、社長自らが記者会見を行ったが、記者会見は記者クラブの会員のみ参加。
フリーや他のメディアは、シャットアウトだった。社長が記者会見を行うと聞いた時、大概の検討が付いた。
何も新しい情報はなく、ただ前回の内容を踏襲するのみだろうと 。結果は案の定だった。
以前新聞について述べた際、指摘したが、記者クラブは既に、既得権益者たちの「談合組織」といっても過言でない。
つまり既存メディアは、利益供与団体、或いは運命共同体。
此れが奇しくも、既存メディアと其の他のメディアを分ける、バロメーター。
何故、記者クラブのみと限定したか。それは暗黙の了解で、他のメクラブメンバーに忖度を求めたと推測する。
汚い言葉で云えば、
「今回明るみになりましたが、皆さんも分かるでしょう。ここはひとつ穏便に」
というメッセージが含まれている。つまり業界の、悪しき慣習だったのではないかと推測される。
私見だが、「今回、たまたま某TVが問題となったが、実は他のマスコミも、似たような事をしていたのではないか」と。
だからこそ、記者クラブのみの会見となったと思われる。
※記者クラブは、税金で賄われています。更に新聞社は軽減税率が適用され、国から税率8%の優遇措置を受けています。
実は去年1月、同様に取り上げた、某お笑いタレントにも似た様なスキャンダルがあった。
このお笑いタレントの場合、週刊で取り上げられた内容が事実無根であると主張。
名誉棄損と訂正記事を求め、裁判所に訴えていた。
結果は去年11月、お笑いタレント側が突如訴えを取り下げ、騒動は終了した。
取り下げた理由を文面で見たが、何か納得したものでなく、相手の訴えを肯定も否定するものでもなかった。
つまり本人は態度を明確にせず、ウヤムヤで訴えを取り下げた。
これも私見だが、拳を振りあげたが、最終的に週刊誌の内容を覆す論拠も証拠もなかったのではないかと推測される。
取り下げたと云う事は、ほぼ相手の言い分が正しかったと言えるのではないか。
此方の場合、会社関与はなく、後輩の芸人がセッティング。その中で問題となる行為が行われた。
後日、被害女性が週刊誌に訴え、暴露された。
しかし裁判中、タレントは裁判に集中する為とし、全てのTV番組を降板した。
その為、訴えを取り下げた11月、更に今に至る迄、一切TVに出ていない。
TV側も大分イメージが悪くなり、今後もそのお笑いタレントを使いづらいかもしれない。
そのお笑いタレントは、私が若い頃から観ていた人物。歳も似たような年代。
そのタレントは、今では師匠と呼ばれる立場になった。
大物タレントのスキャンダルだった為、女性の接待が常態化していたのではとの憶測が広まった。
スキャンダルが発覚後、他のお笑いタレント達は沈黙した。
沈黙は何を意味するのか。それは取りも直さず、半ば暗黙の了解だったのではなかろうか。
民放ばかりでなく、NHKにも問題が
今回騒動となったのは民法だが、問題は何も民放に限らない。
特殊法人と云われるNHKも同じ。
結論を先に述べれば、
ネットインフラに対し、何一つ寄与していないNHKは、ネット配信に課金する権利はない 。もし不服であればTV視聴に対し、スクランブル化にすれば良い。受信料を払っていない家庭は、放送を止めれば良い。
何故、それをしないか。理由はスクランブル化にすれば、圧倒的に受信料の徴収率が下がる為。
つまり、NHK側の都合。受信料を支払う側の都合ではない。
そんな状況でありながらNHKは、ネットアプリをDLし、承諾した人に対し、課金を始めた。
此れはいつもNHKが受信料徴収の際、法律で決められているとの言葉を盾に取り、半強制的に徴収しているやり方が通用しない。
NHKが受像機を設置した家庭に受信料を徴収できるのは、1950年(昭和25年)に成立した放送法のお陰。
ネット課金は文面にない為、明らかに放送法に反する行為。逆に法律違反と云える。
理由は簡単。放送法はあくまで、 電波を対象としている 為。
もうお分かりかと思うが、ネットは ブロードバンド(昔は電話線、今はケーブル、光ファイバー)を利用している 。
ネットは、電波を利用していない。
ではWi-Fiは電波ではないのか、と仰る方がいるかもしれません。
それに関しては、話がややこしくなる為、今回は割愛します。
従ってNHKがネット課金を義務化するのであれば、法律(放送法)を変えなければならない。
今迄法律を盾に取っていたNHKが、逆に法律を盾に視聴者に拒否される事態もあり得る。
NHKのネット課金があまり問題になっていない事に対し、私は何か意図的なものを感じる。
前述したが、それはやはり「記者クラブ」と云う名の「談合組織」、或いは「既得権益組織」の為。
此の件に関しては、民法もNHKも一蓮托生。つまり、今迄甘い汁を吸っていた「同じ穴の狢」。
今後NHKは何かにつけ、ネットに対し無理やり配信。こじ付けで、国民に強制徴収をする可能性が高い。
しかし此れには、明らかな矛盾。それはネットは、全世界の何処からでもアクセスが可能。
因って本来なら、日本人以外の全ての利用者から受信料を徴収しなければならない。
しかしそれは不可能。課金してまで、NHKのニュースを閲覧する人は少ない。
因って、日本人のみの課金と成らざるを得ない。先程のWi-Fiも、此処が引っ掛かっているのではないかと思う。
今は円安と国が観光立国を勧めた結果、オーバーツーリストと呼ばれるほど、訪日外国人が増えた。
訪日外国人が訪日の際、情報源や頼みとするものは、やはりスマホを中心としたデバイス。
ほぼ全員がデバイスを所持すると仮定すれば、訪日外国人の全てに受信料を課さなければならない。
此れは到底不可能。更に譬え実施しても、今度は訪日外国人から理解を得られないだろう。
これは本当に要注意だと思う。繰り返すが、NHKはネットインフラに対し、何一つ寄与しなかった。
つまりサービスのただ乗り。むしろ批判し、足を引っ張っていたイメージすらある。
此れも何度も述べたが、新しい技術が生まれた時、今迄恩恵を被っていた組織や集団が、真っ先に非難する。
最初は皆、その技術を非難や軽蔑していたが、その技術が優れていると分かれば、皆が波打つように、その技術に靡く。
結果、最後まで固執していた人間が、生きた化石と化す。或いは、無用の長物と化す。
所詮人類は、この繰り返し。絶えず新しい技術・進歩が生まれ、人間社会は発展を遂げていく。
決してメディアも例外ではない。今回の騒動を見て、益々この考えが深まった。
最後に
以上が去年から今年にかけ浮上した問題だが、繰り返すがこれは何もここ数年で湧き起こった問題ではない。
かなり前から言われていた。私がブログで述べてから既に、6年が経過している。
前述したが、実はこの問題は地デジ化となった、2011年の前から指摘されていた。
指摘されていたが、既存メディア側が意識はしていたが、見て見ぬふりをしていたと云ってもよい。
薄々、気づいていたが、いざ問題になるまで放置していた。
人間はあまりよくない事だと知り乍、つい見て見ぬふりをし、問題を先送りした事はないだろうか。
あれと同じ感覚。
今迄メディアの王様として君臨してきたTVが、そう遠くない将来、その座から滑り落ちるという事実を認めたくなかったと言える。
産業革命と云われる技術が登場した時、今迄君臨していた技術が音を立てて崩れていく瞬間というのだろうか。
時代の転換期とも云える。ネットの出現が、既存メディアの在り方を変えてしまった。
これも以前ブログで述べたが、既存メディアに限らずネットの出現で、少なからぬ影響を被った業界がある。
前述した出版業、小売業、旅行業、教育産業、証券業等、各分野がネットの出現で存在価値が激変した。
自宅で買い物(EC)、投資、旅行の予約、学習、本の購読が可能となった。
つまりそれ程、大規模な店舗を持たなくて済むようになった。
ネット閲覧が増えると云う事は、当然企業は購買意欲を駆り立てる為、ネット広告の出稿を増やす。
TVのように不特定多数でなく、ネットはAIにより、狙った層に的確に広告を打つ事が可能。
無駄がない。TVは、ピンポイントとは言い難い。此れもTVのCM離れを加速した。
CM離れと云えば、スキャンダル後、男性タレントの番組降板が相次いだ。
理由はタレントのイメージが悪くなり、TV局が使いづらくなった為。
TV局が使いづらいのは、番組のスポンサー離れが進む為。
現にスキャンダル後、男性タレントが出演していた番組スポンサーの数社が離れた。
此れはTV局にとり、大打撃。やはりTV局は、スポンサーの広告収入で成り立つ。
スポンサーが離れれば、TV局の収入減に繋がる。
譬え示談がなされても、今迄クリーンなイメージだったタレントが、一挙にダークなイメージと化した。
企業はイメージが損なわれるのを嫌う為、切らざるを得なかったと推測する。
一度スキャンダルに塗れたタレントは、TV側も企業側も使いづらい。
今後既存メディアで、活躍の場を見出すのは難しいだろう。
先程の話ではないが、TVは不特定多数の人が観る為、スキャンダルを極端に嫌う層もいる。
例えば不倫をしたタレント。
不倫をしたタレントは発覚後、なかなか主婦層に受け入れがたい。特に女性タレントは難しい。
男性タレントはキャラにもよるが、昔と違い今は厳しい。
YouTube等は、そのサイトを目的として視聴する為、過去にスキャンダルがあった人物でも受け入れられる可能性がある。
もしタレントに違反行為があれば、Googleからアカウント停止をくらう為、視聴者にはあまり影響はない。
嫌いな人は、そのサイトを観なければ良い。違った意味で、選択が可能。
ネットの良い処は、何時でも何処でも、デバイスと通信設備があれば視聴が可能。
TVと違い、時間と場所に拘束される事はない。ここがネットとTVの違い。
この違いは大きい。つまり、常に視聴者に選択肢がある。
嘗て既存マスコミは、自分達が取捨選択した情報を大衆に対し、一方的に垂れ流していた。
しかしネット技術が進んだ現代、大衆が自らの意思で情報の選択が可能となった。
この違いを既存マスコミは早い段階で認識、改善しなければならなかった。
何時の時代も大衆に情報を提供する際、 優れたプラットフォームを持つもの が有利となる。
優れたプラットフォームを開発、提供した者が時代の勝者となる。
既存マスコミはネットが登場するまでは、最強のプラットフォームだった。
此れが現在、ネットが既存メディアを凌駕しつつある要因。今後益々、この傾向は強まるだろう。
繰り返すがTVは今後生き残る為に、業態の変化が求められる。
無くなりはしないが、今後成長する事は難しい。
嘗てTVが誕生した時、当時の中心媒体だったラジオを押しやったように。
文明とは絶えずこの繰り返し。
ネットも新たな技術が誕生した時、過去の技術として後塵を拝する結果となる。
その事を踏まえTVを中心とした既存メディアは、自らの立ち位置を確認する必要があるのではないだろうか。
(文中敬称略)
追記
令和7年 1月23日(木)付
ブログ内で言及しました某芸能人はファンクラブを通じ、芸能界からの引退を発表。
約1ヵ月続いた騒動の当人は、あっけない幕切れとなりました。
令和7年 1月27日(月)付
1月27日、某TV局は流石に不味いと思ったのか、2度目の記者会見を開いた。
今回の記者会見は記者クラブに限定せず、フリーも参加できた為、約400人以上の記者が集まった。
記者会見は午後4時過ぎから始まり、初めは休憩なしで午後10時過迄、続いた。
一旦休憩を入れ、再開された会見は日付を跨ぎ、述べ10時間を超える異例の会見となった。
しかし結果を述べれば、会長、社長の辞任は発表されたが、内容は殆ど前回と変わらないものだった。
因って徒に時間を費やしたのみで、新事実は皆無に等しい。
私の感想を述べれば、記者会見が長時間に及んだ為、視聴者には何か、TV局側に同情を与えるものとなった。
それがTV局側の作戦だったのかもしれない。
徐々に質問する記者側の苛立ち、怒号が目立ち、観ている側とすれば、記者達の良くない印象が目立った。
私は此れを観た時、視聴者の感情と関心が、徐々にすり替わっていくのを恐れた。
会見が長丁場で、問題の核心から離れていくのが感じられた。
繰り返すが、此れもTV局側の作戦だったのかもしれない。
経営陣が他のマスコミから、集団でいじめられているような映像にも観えた。
記者側のマナーの悪さが目立った会見となった感は否めない。
実はこの問題の裏で、先週末から通常国会が開催されている。
何気に今回の騒動で、国会報道がされていないのが気になる。
現にこの騒動の間に、国会議員、都議会議員の裏金問題が不起訴になっている。
このネタはサラっと流れたのみだった。陰謀論ではないが、結果的に今回の騒動は煙幕になった。
TVの騒動は確かに重要な問題だが、前述した政治を忘れてはならない。
現に総選挙後、あれだけ騒がれた年金の壁、高額医療控除の話がまるでされていない。
因みに今国会で高額医療控除が月約8万円から、月約13万円になるとの事。一挙に5万円の負担増。
約1,6倍の負担増となります。此れが国がしれっとやる政策。国民は、政治を忘れてはならない。
もうそろそろ、幕引きが必要かもしれない。
マスコミ関係者は人には、主義、主張、信条、講釈、説教、教訓を垂れるが、その基準を自らに課さない。
それは何故か? 答えは 「人がダメだが、自分は赦される。つまり自分は特別な人間だから」という傲慢さがある為。
此れを念頭におき、昨夜の異例ともいえる記者会見を観れば納得がいく。
冷めた目で観れば、何か三文芝居を見せつけられたような心境だった。
勿論、今回の騒動の発端となった文春もその一つ。
時を同じくして今回の騒動と異なる他局で活躍したフリーアナが、約27年間務めた朝のラジオ番組を急遽降板した。
理由はフリーアナに、重大なコンプライアンス違反が発覚。即刻降板となった。
コンプライアンス違反の内容は、他のスタッフに対するパワハラ、セクハラ擬きの行動が長年、見受けられたとの事。
内容は定かではないが、心象として降板したアナは、昭和時代に局アナとして活躍。
その後、フリーとなったが、どうやら昭和時代に許された行為を、令和の時代でも行っていた模様。
昭和時代には許されたが、時は平成そして令和となった。当時は許されても、今では許されない時代となった。。
その考えを降板したアナは、理解できなかったように思われた。
昔は冗談ですまされた事も、今では許されない時代となった事に気づかなかったと云える。
前述した某TVの経営陣も、ほぼ降板したアナと同世代の人達。おそらく頭の切り替えができなかったと推測する。
時代は変わる。変わると同時に、価値観も変化する。今回の騒動を鑑みれば、何かそのような感想が頭を過った。
皆様は、如何お考えでしょうか。
(令和7年3月31日付)
騒動があったフジTVが設置した、第三者委員会と社長の会見が行われた。
結論を述べれば、第三者委員会の報告は周知の事実を踏襲したもの。
更に1月23日、フジTV社長が行った記者会見は、全く嘘だったと云う事が判明した。
第三者委員会の報告では、会社関係者が関与。
お膳立てしていた事、問題発覚後、会社ぐるみでの隠蔽を図っていた事も判明した。
完全に会社側に非がある事が明らかとなった。此れは会社自体が関わり、ほぼ常態化していた事が分かる。
しかし報告書には、過去にも似た様な事案がなかったのかは、全く触れられてなかった。
感想とすれば、過去にも似た様な事案があったと思われた。決して、今回が初めてではないだろう。
何か中途半端な気がした。第三者委員は此の一件で、事を終わらすような雰囲気だった。
一方、第三者委員会の会見後、フジTV社長の会見が行われたが、第三者委員会の記者会見後の為、新事実は皆無だった。
この結果を踏まえ、果たして6月の株主総会を乗り切り、スポンサーが戻ってくるのかは微妙と感じた。
3月末に所属する女性アナが、相次いで退社したのも、決して無関係であるまい。
逆に3月31日付けで退社の為、今迄のトラブルの口封じかもしれないが。
更に4日前の3月27日、第三者委員会の発表を待たず、フジTVの取締役の約半数が退任した。
今回の会社側の記者会見は、社長一人だった。
それを考えた時、事前に第三者委員会の報告を受け、3月31日の会見を待たず、また公の場に出る事なく、退場したと云える。
「何か逃げた、社長一人に責任を負わせた」と思ったのは、私だけだろうか。
実は第三者委員会の報告の中には、他のタレントの関与も疑われる項目も見受けられたが、何故かその点は、ぼかされていた。
今回の騒動で、これ以上のものは出さず、此れで終わりにしたいというTV局側の意図が透けてみえた。
これ以上問題が派生すればTV局はおろか、他のタレントや事務所に迷惑がかかる恐れがある為だろうか。
過去の問題が炙り出されたならば、業界全体を揺るがすスキャンダルになり兼ねないと思われる。
何か過去の幾つかの問題も揉み消したような気がした。
令和7年4月9付
3月31日の第三者委員会の報告以後、やはり過去の案件が出てきました。
スキャンダルが湧き起こったのは、フジTVの全盛期を支え、前社長と懇意だった人物。
この人物は先日、ガンを公表。世間の同情を浴びた。ヤフコメでは、この人物を称賛、心配コメントで溢れていた。
私は何か違和感を感じた。理由は前述した通り。前社長1980年、或る深夜番組でディレクターをしていた。
この番組で今回の人物は、レギュラー出演していた。此れがきっかけだったと断言してもよい。
それ程、前社長と今回の人物は昵懇だった。何も知らない訳がない。
この人物の他にも、脛に傷のある人等は、だんまりを決め込むか、病気を理由にして休養した。
逆に言えば、フジTV全盛期を支えた社員や関係者、出演者が軒並み退場するのは、あながち無関係とはいえないだろう。
改めてTVの世界は、虚構の世界だと云う事が分かるニュースだった。
全く違う案件だが、前日の4月8日、嘗て国民的アイドルで人気を博した女性タレントが事故後、病院に搬入され、病院の看護師に暴行を働き、現行犯逮捕された模様。
女性タレントは以前から情緒不安定で奇行が目立っていた。決して今回が初めてではない。
私の感想からすれば、「とうとうやってしまったか」というのが本音。
全くTVや芸能界の世界は、世間から隔絶された異常な世界だと云う事が再認識された。
果たして、いつまでこの業界の不祥事は続くのか。
更に付け加えれば、3月31日の第三者委員会の報告書が出されたにも係わらず、まだフジTVと当事者だった元タレントを擁護する人達がいる。
この人達は、元フジアナウンサーや元関係者、或いは出演者だった。今回の騒動でTV局やタレントを擁護する人達の立ち位置を見れば分かり易い。
つまり嘗てTVに恩恵を受けた人か、そうでない人に。至極分かり易いリトマス紙と云える。
嘗てTVで稼がせてもらった人間は、悪く云う筈がない。実に分分かり易い。
そういった観点で今回の騒動を見れば、この人はどの立ち位置にいるかを理解できる。
今回の騒動は昔は表に出ず、完全に揉み消されていた事案。
昔は問題が生じても、既存マスメディアは力でねじ伏せ、隠蔽していた。処が今は違う。
何故ならSNSという手段がある為。発信手段が、国民の一人一人が持つ時代となった。
今迄泣き寝入りしていた事案を、現代では泣き寝入りする事はなくなった。
譬えあまり影響はなくても、自らが発信してネットに掲載された情報は、半永久的に残る。
自分が発端でなくとも、いつかは明るみになる社会。決して隠し通せるものではない。
くり返すが今回の騒動は、 既存メディアとSNSの対立 といっても良いだろう。
既存マスメディアが何時までも情報を独占、自分達に都合のよい情報を垂れ流していた時代とは異なる。
そんな時代になったと、改めて感じた。