身近に起きた生活の変化、それは労働環境の変化
★最近、私の生活に起きた変化。それは、失業。
失業といっても私の場合、個人事業主の為、一つ仕事が減ったと言えばよいだろうか。
現在の雇用情勢を踏まえ、私の身に起きた出来事を述べたい。
目次
突然告げられた待遇の悪化
タイトルを見れば、皆様は凡そ検討がつくと思います。
簡単に云えば、
「勤めていた職場の雇用主から、何の前触れもなく、突然待遇の悪化を告げられた」
と云う事です。
具体性を持たせる為、かなり私生活を暴露する形となる事を御了承願います。
直前のブログにも述べましたが、私の仕事形態は個人事業主です。
つまり会社に所属するサラリーマンではなく、フリーランスです。
その為、深夜のバイトは副業と云えます。
具体的に云えば、昼は自宅で株取引を行い、空いた時間でバイトをしていました。
バイト内容は、此れも以前言及しましたが、深夜のコンビニです。
何故深夜かと云えば、株取引は銀行と同じで、取引時間は午前9時~午後3時になります。
その為、次の日まで、かなり時間が空きます。
空き時間を利用し、深夜のコンビニのバイトをしていました。
していましたと云う事は、既に過去の話。
つい最近まで仕事をしていて、仕事をなくしたという事です。
コンビニバイトは株取引を同じで、就業時間が決まっています。深夜であれば大概、22時~翌朝6時になります。
株取引とコンビニは、明確に時間が区切られる為、仕事を区切り易いというメリットがありました。
此れが今回の話のネタになります。
失職した理由はタイトル通り。
何の前触れもなく突然、雇用主から待遇の悪化を告げられました。
私はどうしてもその条件が呑めず、退店するに至ったと云う次第です。
それでは次章で、経緯を詳しく述べたいと思います。
変化する雇用情勢
私は8月31日付けで退店する迄、4年10ヵ月、勤めていました。(この文章は、退店翌日に書いたもの)
勤務は、週6日。勤務時間は、22時~6時。約8時間労働でした。此れは退店直前の勤務内容です。
4年10ヵ月の間、色々ありました。
人手不足で一年以上、深夜ワンオペの時もあり、週末の夕方に人が足らず、土日は20時~6時まで約10時間、ワンオペの時もありました。
平均して週の勤務時間は約48時間、月にして約192時間となります。
一応、休憩なるものがありますが、しかしコンビニの休憩はあってないようなもの。
休憩を取ろうが取るまいが、「見做し休憩」として確実に勤務時間から引かれます。
勿論、休憩中は無給。ですから私の一日の実質的な勤務時間は、約7時間と云う事になるでしょうか。
7時間としても週約42時間、月にして約168時間となります。
何故、此れだけ詳しく勤務時間を説明したのかには、理由があります。
鋭い方なら、ピンとくるかもしれません。
そうです、 「社会保険の問題」 です。
結論から申しますと、私は約3年前から社会保険の対象でしたが、最後まで雇用主から保険を掛けて貰えませんでした。
私自身からも言い出しにくい事案の為、結局ウヤムヤにして終わったと云うのが真相です。
私は3年前の保険の対象者になりましたが、経営者は何か「大人の事情」もあったのでしょう。
或るとき経営者から外部に漏れる迄、このままで行きたいと云う申し出がありました(つまりノー保険)。
私は敢えて事を荒立てるよりもと考え、このままいき、バレた際、又考えれば良いと楽観していました。
参考までに、この時既に経営者は保険を掛ける人間と掛けない人間を峻別していた。
つまり店員間でも保険証を貰っている人と、貰っていない人が存在していたと云う事です。
更に私の場合、経営者から他の人に対して建前上、 「保険を掛けて貰っているという事にしてくれ」 と頼まれました。
前述しましたが、事を荒立てたくないとの心境で、私は経営者の言葉に従いました。
それがとうとう「外部に漏れたと」云う事です。
正確には漏れる寸前で、経営者から保険の対象にならない為に、労働時間の短縮を迫られたと云う事です。
因みに経営者から話があったのは、退店する約10日前の事。よりによって私が、深夜のワンオペ時。
経営者が何の前触れもなく現れ、いきなり保険の話と時短を私に告知しました。
私はあまりにも唐突の為、又そんな重要な事を何の前触れもなく話す雇用主に、不審と不満を抱いた。
だが、その時は即答を控えた。しかし返答を先伸ばししても、互にメリットはないと判断。
翌日の21日、8月末の約10日間後の退職希望を告げ、そのまま了承されました。
何故8月末かと云えば、その某大手コンビニは末締めだった為。その為、あと10日しかなかったと云う事です。
4年10ヵ月勤めた店でしたが、最後は実にあっけない幕切れとなりました。
読者のは、「本当の事だろうか?」と訝る人もいるかもしれません。
しかし、此れは本当の話です。
因み私は社会保険どころか、雇用保険すら掛けてもらってませんでした。因って、失業保険すら貰えません。
未だにそんな世界があるのかと思う人もいるでしょう。しかし此れが現実です。
この業界ではこの様な事が、ごく当たり前の事として行われています。
何故なら今回の出来事は、決して初めてでないからです。実は今回で、4回目となります。
私は延べ20年以上、この業界にいますが、この業界は此れが実情です。
逆に私は、「又か」と割り切っている感すらあります。私が店を辞める大体が、此のパターン。
つまり云いたい事は、人手不足といいながらこの業界では、
「まだまだ待遇と職場環境の改善がなされていない業界 」
と云えるでしょう。
此れが今回、私の言いたかった事の概略です。
次章では今後のこの業界と、将来の働き方について述べたいと思います。
コンビニの将来の働き方
タイトルではコンビニと書きましたが、此れは決してコンビニに限らず、人手不足と云われている職場にも言えるかもしれません。
自らが体験した為、敢えてコンビニを例に説明します。
今回、私が店を辞めざるを得なくなったのは、社会保険絡みです。
雇用者にすれば、なるべく保険を掛けたくないのが本音でしょう。
私は3年前に保険の対象となる迄、僅か週2日か、3日しかシフトに入ってませんでした。
何故かと言えば、前任者が数名いて、シフトに空きがなかった為。
その時は私は、保険の対象から外れていました。
私は保険の対象からは外れていたが、此れでは希望の金額に届かない為、他店のバイトの掛け持ちの許可を経営者に求めました。
他店とバイトの掛け持ちをすれば、経営者は保険を掛けなくて済み、又私の収入も増える。
互いの利益になる為、断られる事はないと踏み、或る日、経営者に相談を持ち掛けました。
しかし結果は不可。
経営者の言葉を借りれば、「内は社員だろうが、バイトだろうが掛け持ちは不可」と云う事だった。
その言葉を聞いた時、私は何か腑に落ちないものを感じた。
何故なら、社員なら当然かもしれない。しかし何の保障もないバイトに対し、兼用を許可しない経営者に不審感を抱いた。
その不審感の為、当時私は、いつ辞めようか思案していた。
処が前任者が次々と辞め、急にシフトに穴が空いた。
その穴を私が埋めた事により、私のシフトが増えたと云う訳です。
ここまでの話で理解できない方もいるかもしれませんので、保険について補足します。
雇用保険の対象となる基準は
・週の就業時間が、20時間以上である事。
・賃金は8,8万円以上である事。
・2か月以上、勤務する意思がある事。
・学生でない事。
※2024年10月~は、従業員51人~100人の企業が対象となる。
私の勤めている経営者は数店舗(約9店舗)を構え、従業員は50人以上です。
ですが、此れには裏技(抜け道)があります。
同じ経営者の店で上記の条件を満たせば、保険の対象となります。
しかし同じコンビニでも経営者が違えば、保険の対象とならない場合があります。
Aというコンビニと、Bというコンビニがあると想定。
A店に3日勤め、B店に2日勤めるとすれば、AとBの経営者は従業員に保険を掛けなくて済むというやり方です。
俗にいう、 「偽装フリーランス」 です。
私は直前まで勤めていた店の経営者に対し、待遇悪化を告知された際、3年前と同様、再度この案を提示しました。
しかし経営者の判断は、再び不可。その時私は、退店を決意しました。
此れの話を聞いた皆様は、如何お考えでしょうか?
私も思いましたが、 「経営者の我儘。或いは、時代錯誤ではなかろうか」 と。
上記を説明する上で、一つ例を挙げたい。
私が退店した店は多分に漏れず、慢性的な人手不足でした。
その為、シフトを埋める為、何をしたかと云えば、人材派遣会社を活用。シフトを埋める事でした。
派遣会社から色々な人が来ましたが、中には他のコンビニに勤めていて、空き時間を利用して当コンビニに来たという人が数名いました。
つまり現役で他店に勤めていながら、空き時間を利用し、譬えライバル店であろうがなかろうが、稼ぎに来ているという人。
中には勤めているコンビニから社会保険を貰っているが、空き時間を利用する為、所属している経営者に許可を得て、当店に働きにきたという人もいた。
もう一人は、或る店に所属しているが、店の経営者に内緒で当店に働きに来たという強者もいた。本人曰く、「もしバレたら、その時考えます」との事
偶然かもしれないが、上記の二人は供に20代の男性。二人に色々聞いてみたが、今の働き方はそれが主流だと述べていた。
私もその通りだと思う。
資本主義の下、「ヒト・モノ・カネ」は、需給で決まる。最低賃金で雇えたのは、日本の長年のデフレの為。
敢えて云えば、デフレだからこそ、成り立っていた商売。
従業員を縛り付けたいのであれば、それなりの待遇と職場環境を良くすべき。
それができないのなら、人材を縛り付けて置く事はできない。ただでさえ人手不足であれば、経営者も変るべきだと思う。
時代錯誤の経営者の我儘で、従業員を縛り付けるのは不可能。若者たちがそれを証明している。
若い世代は昔の経営者の都合のよい論理を否定し、自ら有利となる働き方を選択している。
繰り返すが、よい人材を確保したいのであれば、それなりの対価を払わなければならない。
かなり昔の事になるが、3年前に行われた東京五輪の際、訪日外国人が驚いたものに日本のコンビニがある。
品揃えもさることながら、充実したサービスを具に見て、さぞかし従業員の対価は高いものだろうと想像した。
処がコンビニ店員の時給を聞いた外国人は、二度驚いた。
驚いた理由は、店員は外国人が想像していた金額の半分以下で働いている為。
日本はやがて30年以上デフレが続き、30年以上、年収が上がっていない。
既にカナダ・オーストラリアの時給は、日本の約2倍。
昔は日本に出稼ぎに来ていた国に、今度は日本が出稼ぎに行く時代となってしまった。
先日、日本のトップのコンビニ「セブンイレブン」が、カナダの企業から約5兆円で買収の打診があったという報道がなされた。
この報道を見聞した際、カナダの企業は上記の理由で、今ならまだ買収してもペイできると予測。買収に乗り出したと予測。
この様な状況を鑑みた際、やはりコンビニ業界は既に曲がり角に来ているのではないかと思われる。
コンビニ本部を始めとして、フランチャイズ経営者も今後の行く末を真剣に考えなければ、生き残れないのではないかと推測する。
最後に
今回あまりにも急な退店だった為、私も初めは狼狽したが、冷静になり後で色々調べた結果、様々な事が分かった。
一つは、前述した10月に施行される、「社会保険の適用拡大」。
二つ目は、11月に施行される通称「フリーランス新法」。
三つ目は、12月には「マイナンバーと保険証の統合」。
今年後半に施行される法律を眺めた時、経営者が私を早急に切りたかったと云うのも、何となく頷けた。
つまり私は、何れの法案も該当する。ややもすれば、経営者の足枷になりかねない懸案事項ばかり。
経営者にすれば一番楽なのは、「私を切る事」。これが一番手っ取り早い。
だからこそ、8月末に私を退店させる為、態々経営者が突然ワンオペの最中に現れ、待遇の悪化を告げたのだと改めて理解した。
大きな車輪を回す為、小さな車輪を犠牲にしなければならない事もある。
経営者は、いつも非情。しかし何か、もう少し上手いやり方があったのではなかろうか。
4年10ヵ月も勤めた身とすれば、恨みの一つも言いたくなるのが人間の性。
最も良い解決方法は、経営者が此れを切っ掛けに私に対し「社会保険の加入」を勧めればよかっただけ。
それを最後まで言及にしなかったのは、やはり経営者として何らかの判断があったに違いない。
そうでなければ、先程から述べている様に、バイトの掛け持ちを許可すればよかった。
私の年齢のせいもあろう。私より勤務時間が短いが、若い店員で社会保険を貰っている人もいた。
結局私は、プロ野球でいう「戦力外、構想外」になったと云う事。
それは仕方がないとしても、将来の店の運営の為に、もっとましな方法があったのではないだろうか。
そして経営者自身も時代に合わせ、何か変わる必要があったのではなかろうか?
(文中敬称略)