各既存メディア界の変遷、今後の行方について

目次
メディア界の変化と今後の動向
近年メディア界は、著しい変化を遂げている。結論から先に述べれば、ネットの台頭・普及が、今日の人間社会に大きな変化を齎した。
丁度、2000年前後につかわれた言葉で云えば「IT革命」であり、今世紀最大の産業革命と言って良いかもしれない。
間もなく「5G」が始まる事で、今後益々増大する業界であろう。
元来存在していた既存マスコミは無くなる事はないが、縮小する傾向にあると思う。理由を以下で述べたい。
マスコミ・出版(TV、新聞、本、雑誌など)
おそらく此の業界が一番変化を被ったと思われる。敢えて被ったとしたのは、一番影響を受けた、或いは割りを喰ったという意味。
元来、既得権益・規制で保護され、特権階級として我が世の春を謳歌していた。
しかし2010年前後を境に、特権階級の地位から滑り落ちたと言える。
特にTV業界の凋落が激しい。原因を簡潔に述べれば、各企業の広告宣伝費が従来の既存マスコミのみでなく、他のメディアに分散した為。
TV一辺倒でなく、ネット広告の比重が高まったという事。今年あたり抜くのではないかとさえ言われている。
自分達の辺りを見渡せば、既にネットが無ければ生活ができない、不便な生活を強いられるだろう。
PCの普及は勿論の事、更に拍車をかけたのは「アップル社」が世に送り出した「スマホ」。
スマホの登場で、PCがなくとも外出先で手軽にネットの接続できる様になった事が大きい(カメラ業界も影響を受けたが、今回はメディアに限定)。
携帯保持者の大半は、おそらくスマホだと思う。
メディア界の変化を既存マスコミ界は、なかなか認めず無視。ややもすれば頑強に否定しているが、変化は確実に訪れている。
出版業界等、今では見るも無残な状況。少子化、活字離れも加わり、電子書籍の発達、リサイクル本屋の存在、そしてAmazon等で、もはや以前の様な勢いはない。
次では更に、TV業界を中心に述べたい。
斜陽となりつつある既存マスコミ、とりわけTV界について
私が幼少期、TVが一番の情報源であり、娯楽中心で影響を受けた媒体だった。
当時のアニメソング、おもちゃ、イラストグッズ、人として成長するにつれ、芸能界、趣味、嗜好、音楽、CMソング、食べ物、ファッション、車、バイク等、大きな影響を受けた。
挙げれば切りがない。
影響を受けなかったという人間は少ない。それ程、大衆生活に密着していた。
TVは当に、「王様」であった。今その牙城が崩れつつある。兆しは2010年前後に現れていた。
具体的には、「You Tube、FB、BLOG」等のSNS社会の発達が挙げられる。
ミクシィなども同じだろうか。
つまり今迄、一握りの人間達で独占していた情報の取捨選択・拡散の権限が、大衆の一人一人の手に渡ったという事。
何やら難しい言葉になったが砕いて云えば、大衆一人一人が主役になり、自らの手で情報発信ができる様になったと云う事。
PC・スマホがあれば、明日から誰もがヒーロー、ヒロインになれる可能性を秘めている。
ミクシィはあまりにも仲間同士で纏まり過ぎた為、発展が止まっている様に思えるが。
BLOG、You Tubeなどは最たるものだろう。
FBは、最近下火。これは本名を晒す、又セキュリティの問題等も関係していると思われる。
同路線のYou Tubeに取られつつあるのかもしれない。それはやはり映像が、インパクトがあるからと思われる。
You Tubeの出現と存在意義
TV界の縮小に大きな影響を及ぼしているのは「You Tube」の存在が大きい。
理由は上記に述べた通り。凡そYou Tubeが登場した頃の2007年あたりであろうか。
登場した頃、私のYou Tubeの使い道は、昔の懐かしい音楽・映像をみる手段として利用していた。
おそらく皆さんも同じだったと思う。つい最近迄、この様な利用をしていた。
処が此処3,4年であろうか。You Tubeのコンテンツが充実した。それに伴い、企業広告が確実に増えた。
TVとYou Tubeの違いを述べれば、TVは番組を制作をする際、先ず初めにスポンサー(クライアント)ありきとなる。
その為、企画・出演者に細心の注意を払う。出演者間でも好き嫌い、上下関係が存在する。
一方You Tubeは、企画・出演・制作に自らが参加できる。
よって旧来の芸能界の様に、まず芸能人としての下積み期間を経て徐々に実力が認められ、漸くTV出演を果たすといったケースが全くない。
TVでは、厳しい上下関係が存在する。
下っ端から始まり、大御所と言われるポジションに行き着くには、何十年もかかる。
仮令TV出演を果たしても、ブレイクするかどうかはわからない。偶々視聴率が悪い場合もある。
それに比べYou Tubeは、ヤル気さえあれば、今からでも参入可能。人気・登録者数、再生回数次第(自分の実力)で、企業CM・案件が獲得できる。
こんなにやりがいのある仕事はない。以前は何年もかかり漸く稼げる状態になるが、You Tubeの場合、映像が当たれば明日からでも億万長者になれる。
昔とは違い、現代では可能になった。有名You Tuberは、見事に成功例を証明している。
TV業界関係者は、おそらく苦々しく思っているに違いない。誰しも自分が貰える筈のパイが少なくなれば、気分が良くないのは当たり前。
同じ事は、以前もあった。ご存知の様に、新聞界とblogの関係。
新聞界も自分達が集め記事にしたものを、単なる一個人が感想を述べただけのblog等に、広告が奪われる事態を厳しく非難していた。
全く同じ構造と言える。
今では殆どなくなったが、ほんの数年前迄、TV業界の関係者・出演者は明らかにYou Tuberを馬鹿にしていた。
所詮素人集団であり、自分達の様なプロとは格が違う。比較もして欲しくないといった態度だった。
数年前、バラエティー系の芸能人とcreater等の討論番組があり、TV側は明らかにcreaterに不利な演出をしていた。
You Tubeをこき下ろす事で、自らの優位制を示そうとしていたのは明らかだった。
しかし数年後、状況は一変した。今迄馬鹿にしてきた芸能人達が、こぞってYou Tubeに参入してきた。
それは何故か。
原因は明らか。
ここ最近、一挙に流れてきた。また3月12日頃のGoogleの規約・検索変更などで、益々増加したように思われる。
以前You Tubeに出演する芸能人は既に終わった人、落ち目の人が、You Tubeに活路を求めたとの位置付けだった。
その評価がガラリと変わった。
女性などは、有名女性芸能人などのメイク、衣装、コーディネート等のファッションに興味深々と思われる
そのような技術は今迄、ほぼ一部の人間達で独占されていた。
処が今ではYou Tubeで、映像を見た人間の一人一人に提供される。
これは紙媒体等では、全く叶わない。映像のもつ強さとでもいうのだろうか。
今後のメディアの行方
長々と述べてきたが、今後は確実にネットビジネスが伸びるのは疑いようもない事実。
既存メディアは無くなりはしないが、将来的に縮小するのは避けられない。
しかし有名You Tuberも、決して今後も安泰ではない。儲かると思えば今迄とは違い、確実に有名芸能プロダクションの参入してくる筈。
逆に本格的に参入すれば、彼らは専門のノウハウを持ち、今迄活躍してきた有名You Tuberすら、凌ぐ可能性もある。彼等はやはり、プロ集団の為。
それを考えれば、今後新規参入はなかなか難しい。あと数年が勝負と思われる。海外作品等は既に、TV・映画なみの品質とほぼ同等なレベルにまで達している。
残された椅子は少ない。そう思うならば「あなたも如何?」と言われるかもしれないが、当の本人は既に年齢が行き過ぎ、華が無い。
おそらくYou Tubeに参入する可能性は少ない。譬え参加しても、既に遅きに期した感がある。。
若い方は、是非チャレンジして頂きたいと思う。失敗しても若さで許容される場合が多く、映像を削除すれば良いだけ。
但し、規約違反に触れないとの条件付で。
今回は色々とダラダラ述べましたが、近年のメディアの変遷について思いつくままを書き込みました。
最後までお付き合い、誠にありがとうございました。
(文中敬称略)