簡単な英単語 「月」の由来
皆様、年が明け、早1ヵ月以上が経とうとしています。
暦が1ヵ月を過ぎ、カレンダーの1月を捲った時、ふと中学校時代に学習した2月の英単語が私の目に飛び込んできました。
懐かしいと思いつつ、12月までの月の単語を頭に浮かべた際、自分の記憶があやふやなのに気付きました。
今回振り返るには良い機会として初歩的な単語、「月単位」の単語についてを述べたいと思います。
中学時代は、只闇雲に暗記しましたが、意外に月毎に意味があるのを知り興味が湧き、単語の由来も書き記しました。
では、早速。
目次
【一月】January
・略(Jan,Ja.)
・語源
ラテン語の「Janus」 神の月に由来する。1月は旧年と新年に跨る月の為。
処で、「Janus」とは何? と思われる方が多数だと思われます。
Janusとは、固有名詞で「ヤヌス」。
ローマ神話で頭の前と後ろに顔を持った「戸口や門の神」と言われています。
つまり、初めと終わりを司る神と言われています。
<ヤヌス図>
【二月】February
・略( Feb.)
・語源
ラテン語で、厄払いの月(儀式)意味。
ローマ時代、2月15日に行われた、お祓いのある月だそうです。
何やら新年ではしゃぎ過ぎ、人間にはお祓いが必要と言う事でしょうか。
2月15日のお祓いは、ルペルカーリア(Lupercalia)と言われています。
【三月】March
・略(Mar.)
・語源
ラテン語の「軍神 」を意味する、Mars (マルス)に由来する。
Marsは、ギリシャ神話の Ares(アレス)に当たる。惑星では、火星。
派生語の動詞「march」は、当に軍隊の行進を意味する単語。
名詞では、「行進」を意味する。
神話では戦い・争いの神として、あまり評判は良くないようです。
マルスは、ゼウスとヘラから生まれた子。
<マルス像>
【四月】April
・略(Ap. Apr.)
・語源
ラテン語のアフロディーテから来たのかと推測されているが、ハッキリはしない。
アフロディーテとは、ご存じ「ビーナス」の事。
因みにビーナスは、惑星で言えば「金星」。
ギリシャ神話では、Aphroditeと表記されている。愛と美の女神。
春は色々な草花が冬の寒さから目覚め、生命の息吹を感じさせる為、アフロディーテから取ったのでしょうか?
アフロディーテは、ゼウスとディオスから生まれた子。
<アフロディーテ図>
【五月】May
・略(なし)
・語源
ラテン語のMaia(マイヤ) の意味。Maia は繁殖・成長の女神。
ローマ神話では、大地豊穣の神として称えられている。
多産・繁殖の神と理解すれば、納得がいくだろうか。
5月は、草木の繁殖時期とも云える。5月1日の「メーデー」は、此処に由来する。
マイヤはゼウスと結婚。子として、商業・盗賊の神としてヘルメス(メルクリス)を産んでいます。
ヘルメスは英語で言えば、マーキュリー。つまり水銀の事。惑星で言えば、水星。
【六月】June
・略(なし)
・語源
ローマ神話、結婚の女神ジュノーJunoの意味。
JunoはJupiter (ジュピター)の妻で、女性の結婚生活の保護神、ギリシャ神話の Hera (ヘラ)に当たる
可算名詞として、気品の高い美人、ユノー、ジュノーの意味で使われる。
暫しブライダル産業にて「ジューン・ブライダル」と呼ばれ、6月が結婚シーズンと言われるのは、此の為。
6月の週末の大安吉日など、一年で式場が最も高い日ではなかろうか。
<左:ヘラと右:ゼウス像>
【七月】July
・略( Jul., Jy.)
・語源
ローマの有名な将軍、ジュリアス・シーザー(カエサル)が7月生まれの為、Julius Caesarの名に捩り
付けられた。
Julius Caesar(紀元前100年 ~紀元前44年3月15日)は、共和政ローマ期の政治家、軍人であり、文筆家。
独裁制を強めた為、元老院派の共和主義者たちに暗殺された。
有名な言葉である、
は腹心であったブルータスにも裏切られ、暗殺されたジュリアス・シーザーが死の直前、呟いたとされている。言葉を有名にしたのは、シェイクスピア。
<暗殺直後、倒れるシーザー>
【八月】August
・略(Aug.)
・語源
初代ローマ皇帝、アウグストゥスAugustusに因み付けられた。
アウグストゥスAugustus(紀元前63~紀元後14)ローマの初代皇帝、 Julius Caesar の後継者。
アウグストゥスは皇帝即位前、Octavian と言われていた。つまりOctavian とは、10月を意味する、Octoberの事。
流石にややこしい。ローマでは3月が新年とされていた。
1月から新年と計算すれば、昔の3月から新年として計算すれば、丁度8月が昔の10月に当たる為、つけられたようだ。
その為、10月は第2の8月とも呼ばれている。
<アウグストゥス像>
【九月】September
・略(Sep., Sept)
・語源
ラテン語で、7番目の月の意味。
古代ローマでは 新年 が 3 月から始まった為。此れも前月の8月に説明した通り。
septは略語でも分かる通り、7の意味。
その後に数字を意味する、numberをつけたものと想像される。
【十月】October
・略(Oct.)
・語源
ラテン語で、8番目の月の意味。
古代ローマでは 新年 が 3 月から始まった為。此れも前月の8月、9月に説明した通り。
派生語のoctaveは、音楽用語でもある。8度(音程)の事。
8月の項目で説明した内容と照らし合わせれば、理解しやすかもしれない。
【十一月】November
・略(Nov.)
・語源
ラテン語で、9番目の月の意味。
古代ローマでは 新年 が 3 月から始まった為。
此れも前月の8月、9月、10月に説明した通り。
此処あたりになれば、年が明けた頃の志などすっかり忘れ、既に気持ちが来年に傾いていると思われる。
大概10月、11月頃になれば、人間は既に惰性で過ごす日々ではないかと思われる。
8月以降、月の英単語を決めた人も、何か惰性のようなものが感じられる。
理由は、あまり捻ったネーミングでない為。ラテン語で9を表す文字は、novem。
尚、November名詞の意味は、「寒さ、陰鬱、不健康」で何か死を連想させると言われている。
【十二月】December
・略( Dec.)
・語源
ラテン語で、10番目の月の意味。
古代ローマでは 新年 が、 3 月から始まった為。
此れも前月の8月、9月、10月、11月に説明した通り。
ラテン語の10は、decem。
如何でしょうか。
何気に機械的に暗記した英単語もその意味を探れば、なかなか面白い背景が浮かんできます。
時間がある時、疑問に思った英単語を調べてみるのも、面白いのではないかと思います。
(文中敬称略)